インターネットのおかげで、素晴らしいアイデアのある人ならほとんど誰でも産業に破壊的変革をもたらすことが可能になった。しかし、宇宙空間の新事業開発について言えば、そのようなことはまず不可能だ。
Amazonの最高経営責任者(CEO)であるJeff Bezos氏によると、この違いこそ、同氏が16年前にロケット開発企業Blue Originを設立しようと思った主な理由だという。同氏は、Amazon設立によって得た莫大な富を使って「いちばん資金がかかる部分のインフラ」開発を支援することにより、将来的に宇宙関連のスタートアップ設立が活気づくようにしたかったという。
Bezos氏は米国時間10月20日、サンフランシスコで開催されたVanity Fair主催のNew Establishment Summit 2016での壇上で、「われわれは、多くの起業家が(後に続けるように)宇宙への参入コストを下げようとしている」と述べた。
Bezos氏はさらに、宇宙に対してどういった新しい構想を描けるかは分からないとしながらも、再利用可能なロケットなど、宇宙旅行用のプラットフォームを開発してコストを削減することにより、これらの新事業が秘める可能性を引き出したいと語った。
Blue Originは、宇宙探査に次の章を書き加えようとしている数少ない民間ロケット開発企業の1社だ。Elon Musk氏のSpaceXやRichard Branson氏のVirgin Galacticも新しい宇宙ロケットを開発している。こうした億万長者たちの資産を支えとして宇宙進出の動きが改めて盛んになっているとはいえ、宇宙探検をさらに多くの民間人が体験できるものにするには、まだ何年も投資していく必要がある。
Bezos氏はまた、米共和党の大統領候補であるDonald Trump氏に厳しい言葉を向け、Trump氏が同氏を批判した人々に報復すると脅していることは「適切」でないと述べた。
Bezos氏は、著名なベンチャーキャピタリストであるPeter Thiel氏と、同氏がTrump氏の選挙運動に125万ドルを献金したことも批判し、「Thiel氏はコントラリアン(人と逆の動きをする投資家)だ。コントラリアンはたいてい間違っていることを忘れてはならない」と述べた。
Bezos氏はさらに、米国の民主主義体制は極めて強固だが、「大統領候補者が(政敵を投獄すると脅して)それを危険にさらすのは不適切だ」と述べた。そう考えると、Bezos氏が、2015年末に自分を攻撃したTrump氏を宇宙に送るとジョークを言ったのは「間違い」だったと述べた。
Bezos氏は次のように付け加えた。「私はロケット開発企業を持っており、すぐにそれができるのだから」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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