SPOT、空き駐車場を簡単に探せるアプリ「Smart Park」--独自の満・空センサを導入

 SPOTは10月19日、コインパーキングのリアルタイムな満空情報を配信するソリューションを提供開始した。同時に、空き駐車場を簡単に探せるiPhoneアプリ「Smart Park」も配信中だ。Android版も準備している。

 このアプリ使うと、ドライバーは数あるコインパーキングの運営会社を横串で検索でき、一部はパーキングの空き状況がほぼリアルタイムで分かる。さらに、駐車予定時間から最も安い駐車場を探す駐車料金のシミュレーション機能や、駐車料金が上がる前にそろそろ出発するよう通知するアラーム機能も搭載している。

アプリの機能
アプリの機能
このように看板に本体を取り付ける
このように看板に本体を取り付ける

 アプリには、全国約4万5000件以上の駐車場が登録されている。そのうち、満空検索ができる駐車場は約1万3000件以上。すでに満空情報を提供する企業との連携あるいは独自のセンサを用いたしくみによるものだ。ベースとなるデータは、IMJの駐車場データベースよりライセンスを受けている。

リアルタイムの満空情報の提供はなぜ難しいのか

「IoT満空センサー」を手に説明する、SPOT 最高執行責任者 COOの花房寛氏
「IoT満空センサー」を手に説明する、SPOT 最高執行責任者 COOの花房寛氏

 時間貸しの駐車場業界における市場シェアは、タイムズ24、三井リパークなど大手10社をあわせても過半数未満で、中小零細企業が多く細分化されているという。運営会社は400社以上にのぼり、駐車場の場所や料金、満空情報を配信している事業者は一部の大手企業に限られているのが現状だ。

 さらに各事業者がそれぞれ独自のアプリ等で配信を行っているため、ドライバーはコインパーキング事業者ごとに異なるアプリを併用し、駐車場を探さなくてはならない問題点がある。それらを解決するのがこのアプリだ。ただし、最大手のタイムズ24は対象外となっている。

安価なセンサで小規模なコインパーキング事業者に無償配布

 SPOTは、2014年に設立したベンチャー企業だ。コインパーキングの上に店舗を作る「空中店舗事業」を手がけるフィル・カンパニーを立ち上げた松村方生氏が代表取締役を務める。

 SPOTは独自に「IoT満空センサー」を開発。まずは実験導入として無償でIoT満空センサを提供し、コストの問題でこれまで自前では満空情報の提供ができなかった小規模な事業者のコインパーキングもアプリから場所を検索したり、満空情報を調べたりできるようにした。万が一満車になってしまった場合には、スマートフォンに通知をする「『満車になったら通知』モード」も備える。

センサの内部
センサの内部
駐車場の「満・空」の看板にセンサを取り付けるとLED光を感知し、満空を識別する
駐車場の「満・空」の看板にセンサを取り付けるとLED光を感知し、満空を識別する

 IoT満空センサーの価格は1万円程度で、取り付けも2名態勢で15~20分程度という。安価に提供できる工夫の一つがソーラー電池だ。電気のコストがかからないよう、完全に単体で動作するのが特徴だ。駐車場の「満・空」の看板にセンサを取り付けるとLED光を感知し、満空を識別する。切り替わったときは内部に搭載された3GのSIMを使って無線通信で送信し、およそ15~20秒程度でアプリに反映される。

 端末は、10月末には978箇所に設置予定だ。センサは無償で提供するが、今後は取り付け料のみ徴収することも考えているという。

端末のスペック
端末のスペック

 SPOT 最高執行責任者 COOの花房寛氏は、「業界平均の満空情報は、(タイムラグが)5分程度のデータを扱うのがスタンダードだが、IoT満空センサーを使うとほぼリアルタイム」と自信を見せる。

 一方で、まだ課題もある。看板の満・空情報のみを読み取るため、何台の空きがあるかは管理できない。誘導あたりの成果報酬型のビジネスモデルだが、アプリで送客したユーザーをきちんと把握できるしくみがないのが現状という。

 今後はビーコンを追加してより詳細なデータを把握できるようにしたい考えだ。「水曜日の午後は空きやすい」といった駐車の傾向などを掘り下げ、タイムセールを行ったり、独自のポイントサービスを導入して、ポイントのキャッシュバックを付けたりすることも検討する。

 まずはユーザーを増やしながら、3~4カ月かけて実証実験をしてデータの付け合わせなどをして傾向を見る。将来的には、コインパーキングを足掛かりに、独自開発のIoTセンサーをさらにさまざまな自動車関連スポットへ設置を拡張していく。

 SPOTは、駐車スポットの総合ポータル化とともに、大型商業施設や百貨店との連携、駐車場予約サービスの展開、モバイルを通じた駐車料金決済の展開など、自動運転社会の到来に向けて、リアルタイム目的地情報におけるプラットフォームの構築を目指す。

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