ティアックは10月19日、プリメインアンプにCD、ネットワークプレーヤー、Bluetoothなどを一体化したハイレゾ対応ネットワークCDプリメインアンプ「NR-7CD」を発表した。「Reference 7」シリーズの第1弾モデルとして販売する。発売は2017年1月下旬。想定税込価格は42万円前後になる。
ティアックは、1953年に創業した老舗のオーディオメーカーだ。コンシューマオーディオを担う「ティアック」ブランドのほか、ハイエンドオーディオの「ESOTERIC(エソテリック)」、業務用レコーディング機器「TASCAM(タスカム)」を展開する。
4月から“新生ティアック”を掲げ「リブランディング」を実施。「NEW VINTAGE(ニュービンテージ)」をキーワードに生まれたのが、NR-7CDだ。
ティアック代表取締役社長である英裕治氏は「最盛期は4000億円ほどあったオーディオ市場がここまで衰退した要因は、モノづくりが利益や規模を追う形になり、海外での製造や開発の丸投げで商品がコモディティ化したため」とオーディオ市場を分析する。
新生ティアックが目指すのは、コモディティ化したオーディオ市場の中で、規模やコストを追うのではなく「本当にいいものを届けられるメーカーになること。自社のハイエンドオーディオブランド『エソテリック』を手本にした」(英氏)という。
エソテリックは、コンシューマオーディオに比べて市場規模は半分以下。しかし、一貫して最高品質のモノづくりを追求し、高評価を獲得。事業的にも安定しているという。
NR-7CDは、ESOTERIC製品を手掛ける青梅市の自社工場で製造されるほか、音の特性を聞き分けるトレーニングを積んだ「ゴールデンイヤー」の認定者が音質を設計するなど、ティアックならではの高音質設計を実現。熟練の職人がはんだ付け、組み立て、品質を確認し、創業以来63年貫いてきた「Japan Quality」を反映する。
一方で、NASやUSBメモリからストリーミング再生ができるネットワークプレーヤー部は、最大DSD5.6MHz、PCM192kHz/24bitまでのフォーマットに対応するなど、最新性能を装備。独自のアップコンバート回路「RDOT-NEO」を使用すれば、すべてのPCM音源を最大DSD12.2MHz、PCM384kHzまでにアップコンバートできる。Bluetoothは、aptX、AAC、SBCのほか、ハイレゾ音源相当の伝送ができるLDACにも対応する。
Japan Qualityを追求しつつ、最新のハイレゾ仕様を採用できる理由は、ハイレゾに長年取り組んできたからだ。ティアックでは2000年にタスカムブランドのテープレコーダーにハイレゾを採用。コンシューマ向けには2001年にエソテリックブランドで取り入れている。
「ハイレゾは実に16年前から取り組んでいるが、アピールが足りなかった」とティアック音響機器事業部コンシューマーオーディオビジネスユニット長の大島洋氏と話す。
あわせて2017年春には、Wi-Fi、Bluetooth、AirPlay対応のネットワーク機能を備えたミュージックシステム「WS-A70」も発売する。NEW VINTAGEをキーワードにキャビネットには天然ウォルナットを使用したほか、テキスタイルデザイナー須藤玲子さんがプロデュースするブランド「NUNO」とコラボレーションした布製のフロントグリルを採用。デザインを用意することで、コーディネイトできるオーディオを提案する。
音質設計はゴールデンイヤーが担当。同軸2ウェイスピーカを左右に2基、背面にパッシブラジエータ―2基を備え、アンプにはICE PowerクラスDアンプを採用し、ハイレゾ音源再生にも対応する。
2つの新製品を発売するため、ティアックでは「もう一度本当にもの作りに挑戦する」(英氏)という思いの下、取り組んできたとのこと。英氏は「ティアックは今日を境に新しい領域を目指す。新しい挑戦を理解してほしい」と意気込みを話した。
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