Barack Obama米大統領は大統領在任期間の最後の数カ月を使って、テクノロジへの投資を強化し、そのことが米国と世界の未来にとって何を意味するかということを強調している。
Obama大統領は米国時間10月13日に開催されたイベントで、3億ドル以上を科学とテクノロジの支援に割り当てることを発表した。これには、交通渋滞の緩和など、スマートシティ関連のさまざまな取り組みに提供される1億6500万ドルが含まれる。
さらに、アルツハイマー病やパーキンソン病、うつ病などの病気の研究に7000万ドル、高速インターネットを実現する小型衛星技術に5000万ドル、「Precision Medicine Initiative」を通しての医療の向上に1600万ドルがそれぞれ提供される。
「The White House Frontiers Conference」と呼ばれるこのイベントは、ピッツバーグで開催された。ピッツバーグでは、Uberの自動運転車が既に公道を走行している。同市は保健医療研究分野の先端都市でもある。Obama大統領は歴史的に米国の鉄鋼業界とつながりがある同市について、子供のコンピュータサイエンス教育への投資におけるリーダーと評した。
Obama大統領は研究者やビジネスリーダー、テクノロジスト、慈善家、学生などで構成される聴衆に対して、「われわれが際立っているのは、その能力だ。つまり、何かを想像して仮説を立てた後、テストを行って実証し、作り上げて改善する能力のことだ」と述べた。
ピッツバーグ大学、カーネギーメロン大学と共同で開催されたこのカンファレンスの狙いは、個人から惑星間まで、さまざまなレベルでテクノロジとイノベーションを模索することだ。同カンファレンスでは、保健医療分野のイノベーション、「Precision Medicine」(オーダーメイド医療)、スマートシティ、人工知能、クリーンエネルギーなどの話題が取り上げられた。さらに、2030年までに火星への有人飛行計画が実現する可能性など、宇宙旅行も話題とされた。
Obama大統領は今後20年以内に人間を火星に送るため、ディープスペースハビタット(深宇宙の居住環境)などのテクノロジの進歩を求めた。Obama大統領は、独自に火星移住を目指すElon Musk氏のSpaceXと競争することになる。
Obama大統領は、月へのロケット発射に必要なツールを次世代の人々に提供することを重視した。さらに、科学とテクノロジの分野の開放性も要求し、2016年のノーベル賞を受賞した米国人のうち6人が移民であることを指摘した。また、若い女性やマイノリティがこの分野に加わるよう促す政府の取り組みを称えた。
米国は「世界のイノベーションのエンジン」だとObama大統領は評した。
科学とテクノロジへの官民投資は経済とコミュニティーの活性化に不可欠であるとObama大統領は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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