Barack Obama米大統領とMark Zuckerberg氏の関係は必ずしも円滑だったわけではない。だが、米国時間6月24日にスタンフォード大学で開催されたイベントで、両氏があいさつを交わす様子からは、そのようなことは微塵も感じられなかった。
自由主義世界のリーダーと世界を一つにつなげることを目指す企業のリーダーは、第7回Global Entrepreneurship Summitの最後を飾るパネルディスカッションで3人の起業家を迎え入れたが、そのときに互いに交わした抱擁はどこかぎこちないものだった。
Obama大統領は、Zuckerberg氏のトレードマークであるカジュアルなスタイルに言及して、「Mark、君のようにTシャツ姿で来ることはできなかったよ」と述べた。
これに対してZuckerberg氏は、同大統領の任期終了が迫っていることを触れ「すぐにできるようになりますよ」と応じた。
雇用を拡大し、職場における不平等を改善する推進力としてObama政権が起業家精神を前面に押し出す中、この当意即妙のやりとりは、会場一杯の聴衆から笑いを誘った。この3日間にわたるカンファレンスを通じて、Obama政権は新興企業を後押しするとともに、IT業界の多様化に拍車をかけることを目指した複数のイニシアティブを発表した。
Obama大統領は、冒頭のあいさつで「Tech Inclusion Pledge」と呼ばれる多様化のためのイニシアティブに言及し、白人男性が優位を占めるIT業界が、現実の米国の姿により近づけるように支援するものだと述べた。
「(各企業の)尽力にとても満足している」とObama大統領は述べ、「皆さん、彼らにどうぞ拍手を」と続けた。
Zuckerberg氏は、若手起業家らを前にFacebook創業当時の体験について話した。同氏は2014年、米政府によるオンライン監視をめぐりObama大統領と論争したことがある。大学の学生寮から生まれたFacebookの月間アクティブユーザー数は、今や16億5000万人だ。
Zuckerberg氏は、「私にとって起業家精神とは、会社を作ることではなく、変化を生み出すということだ」と述べた。「特に配慮したのは、誰もが発言できるようにすることだった」(Zuckerberg氏)
パネリストの1人、エジプト人起業家のMai Medhat氏は、イベント主催者向けアプリ「Eventtus」の最高経営責任者(CEO)で共同創設者だ。同氏は、話題がネット接続の課題に移ると、2011年のエジプト革命の際にFacebookがコミュニケーションツールとして果たした役割について語った。
「私たちはFacebookを使って革命を起こした」(Medhat氏)
Obama大統領とZuckerberg氏は、2008年の米大統領選挙戦で初めてつながりを持つことになった。Obama大統領は当時、潜在的投票者の獲得と寄付金集めにFacebookを活用するという新たな道を切り拓いた。Facebookの共同創設者で当時24歳だったChris Hughes氏は、Obama陣営の選挙活動に参加し、多くの支持者を動員したことで功績が認められた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?