シャープは10月12日、IoTベンチャー企業を対象とした合宿形式のモノづくり研修「SHARP IoT. make Bootcamp supported by さくらインターネット」をシャープ総合開発センターで実施すると発表した。11月から年4回ペースで展開し、専用サイトより募集を開始する。費用は1社2名の参加で85万円。
同社が100年以上に渡ってメーカーとして培ってきた量産設計や品質、信頼性確保などモノづくりの技術やノウハウを、社内の現役技術者らが講師となって伝授する。また、国内データセンタ大手のさくらインターネットの支援を得て、IoT時代に必須となるソフト・サーバ技術および、プラットフォームなどを解説する。
研修期間は、1回あたり10日間を予定し、約70時間に上る多様なプログラムを用意。そのほか、投資ファンドのABBALabが、ベンチャー企業における新規事業の立ち上げに必要な資金調達のコツについて、投資ファンドの立場から説明する。
IoT時代の本格的な到来を前に、モノづくりにチャレンジするベンチャー企業が大幅に増加すると予想されるものの、ベンチャー企業のモノづくりにおいては、試作から量産段階に至るさまざまな過程で経験や知見不足に起因する設計ミスや品質不良、納期遅れといった問題が発生し、その解決への追加コストや開発の遅れが課題であると言われている。
シャープは、8月12日の新体制発足後、「長年にわたり受け継がれたシャープの良さを大切に継承し、独自特長技術の開発や、新規事業の創出に向けて積極的に投資する」との経営方針を表明。今回の研修プログラムもこの方針に沿ったもので、ベンチャー企業が持つ課題へのソリューションを提供し、早期かつ確実な事業化を支援する。
また、研修に参加するベンチャー企業との交流を通じて、シャープ内の創業精神を高め、将来的に社内からベンチャー企業を輩出するような企業風土の醸成を図るとしている。
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