「問題があれば研修で解決せよ」というのが、シリコンバレーの新しい考え方なのかもしれない。
その最新例としてFacebookの最高執行責任者(COO)であるSheryl Sandberg氏は、同社が従業員に対し、各業務において政治的偏向を見つけ出して対処する方法を学ぶための研修を開始することを明らかにした。同社のトレンディングトピック機能が、保守的な報道とリベラルな報道を平等に表示していないとして批判されたことを受けたものだ。
この研修は、年齢、性別、国籍、民族性に基づく差別について学ぶために従業員が受ける、より広い範囲の偏見対応研修の一環だと、Sandberg氏は述べた。
「多様性については大いに配慮している」と同氏は米国時間6月22日、保守系シンクタンクであるアメリカンエンタープライズ研究所(AEI)とのインタビューで語った。「これは、われわれの業界がこれまで取り組んできた難しい問題だ」(Sandberg氏)
これは、同社のトレンディングトピック機能には実際には同社が選んだ記事が表示されるという、同社の元従業員の証言に基づく記事をテクノロジ系ブログのGizmodoが掲載して以来、Facebookが特に苦戦してきた問題でもある。さらにその記事では、保守系の記事がトレンディングトピックのリストの上位に表示されないようにFacebook従業員らが操作していたと指摘していた。
Facebookは、その主張を調査し、リベラル系への偏向を示す証拠は見つからなかったと発表した。しかし、Facebookの最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏は直ちに、著名な保守系メディア関係者らとこの問題について議論するための会合を開いた。
Facebookは現在、業務における政治的偏向を特定できるようにするための研修を従業員に受けさせるとしているが、この研修の開始時期とこの研修を最初に受ける部署を問い合わせたところ、直ちには回答しなかった。
この取り組みが功を奏すかどうかはわからない。Facebookは既に、民族差別や性差別の問題を発見するための研修を従業員らに受けさせているが、同社の従業員は、特に管理職では圧倒的に白人男性が多い。Facebookも他の多くの大手IT企業と同様に、雇用慣行を改善すると主張しているが、意味のある変化を起こせた企業はまだない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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