「Galaxy Note7」が完全に姿を消すことになる。
サムスンは現地時間10月11日、問題となっていた同スマートフォンの生産を完全に終了することを明らかにした。過熱して、一部では発火した事例もあった同スマートフォンについて同社は、リコールと交換を試みたが失敗していた。同社は10日、生産を一時停止し、スケジュールを「一時的に調整」すると発表したばかりだった。
「消費者の安全を考え、Galaxy Note7の販売と交換を取りやめ、その結果として生産終了を決断した」とサムスンの広報担当者は述べた。
これで、民生エレクトロニクス企業としてのサムスンの歴史の中で最悪の事態の1つだった今回の問題が、実質的に幕引きとなる。
Galaxy Note7は、「Galaxy S7」でうまく復活させたサムスンのスマートフォン事業をさらに推進させる製品になるはずだった。しかしその逆に、同製品の発売は悪夢となり、サムスンの名前が危険な製品に関連付けられることになった。Note7は姿を消すが、サムスンは今後も、同社ブランドの汚名返上と消費者の信頼回復という課題に立ち向かわなければならない。
Galaxy Note7は発売当初から問題を起こしていた。安全性の懸念から、同社は8月中旬に発売された同製品の初期のバージョンをリコールして、交換プログラムを提供しなければならない事態に追い込まれた。しかし、交換後の端末でも、バッテリが過熱するという同じ問題が複数件発生し、今回の生産終了に至った。
サムスンと米消費者製品安全委員会(CPSC)はそれぞれ10日夕方に、直ちに端末の電源を切るように消費者に勧告した。それに先立ち米国のすべての通信事業者が同端末の販売を停止し、まったく別の端末に交換することを顧客に推奨していた。
「未交換品または交換品のGalaxy Note7を所有する消費者は電源を切り、(購入した場所での返金など)提供されている救済措置を利用してほしい」とサムスンは10日の声明で述べた。
「複数の州で報告されている端末の過熱と発火の問題に関する積極的な調査は続行するが、消費者はすべてのGalaxy Note7の電源を切り、使用を停止してほしい」とCPSCのElliot Kaye委員長は声明で述べた。
Note 7は、来たるクリスマス商戦に向けたサムスンの目玉製品としてAppleに真っ向から対抗する製品になるはずだった。しかし発売から短期間で姿を消し、Appleに好機を譲ることになる。AppleはNote7のわずか数週間後に、「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」を発表している。「Android」愛用者には、Googleのハイエンド製品である「Pixel」と「Pixel XL」やLGの「V20」といった選択肢もある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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