「過去のAQUOSにおいて、最も販売数量が多い32V型ユーザーの買い替えテレビとして45V型の『AQUOS LC-45US40』を提案する」――シャープのディスプレイデバイスカンパニー デジタル情報家電事業本部 副事業本部長の喜多村和洋氏は、45V型の新製品を買い替え需要の大本命と位置づける。
9月9日に発表したLC-45US40は、「AQUOS US」シリーズの最新モデル。すでに発売している50、55、60V型に追加された新サイズで、「4Kテレビとして45V型をラインアップしているのはシャープだけ」(喜多村氏)と独自性を打ち出す。
シャープが45V型を買い替えテレビの本命に位置づける理由は、サイズ感にある。LC-45US40は高さ58.3cm×幅101.1cm×奥行き11.4cmで、重量約16kg。2007年製の32V型テレビ「LC-32D10」は、高さ61.4cm×幅79.7cmで、画面の高さはほぼ同じ。加えてスタンドの横幅も、LC-32D10の50.9cmに対し、58.2cmと10cmも変わらないコンパクトさだ。
「画面の高さは変わらず13インチも画面サイズがアップする。スタンドスペースもほぼ同じため、現在の設置スペースに置き換えが可能。32V型を使用しているお客さまに45V型をおすすめする理由がここにある」と喜多村氏は強調する。
液晶パネルには低反射で見やすい独自の「N-Blackパネル」を搭載し、スピーカにはオンキヨー製の「2.1chスピーカーシステム」を内蔵。左右30度まで画面の向きを調整できるスイーベルスタンドを採用するなど、画質、音質、使い勝手の面でも、高品質を追求する。
シャープによると、2004~2010年度の32V型の出荷台数は業界全体で約2410万台。うち約910万台がシャープ製のモデルにあたるという。このボリュームゾーンの買い替えを45V型できちんと取り込みつつ、40~80V型までの7サイズ11機種という豊富な4Kテレビラインアップで、4Kテレビ市場の拡大を目指す。
8月27日付けで、シャープのテレビ事業部はディスプレイデバイスカンパニーに再編された。喜多村氏は「パネル技術と連携しながら新たな事業を創造し、商品を提案していきたい」と意気込みを話す。
目標として掲げるのは、2018年度の販売数量を、グローバルベースで2016年度比の2倍にすること。その成長を担う1つが、中近東、アフリカ地域などのブラウン管テレビからの買い替えだ。「新興市場ではブラウン管テレビがまだ数多く使われており、これを液晶テレビへと変えていく。鴻海精密工業のサプライチェーンをいかすことで可能になる」と協業の効果を説明する。
喜多村氏は「鴻海精密工業のサプライチェーンを利用することで、低コスト、生産、物流の面で強みを発揮できると期待している。これによりタイムリーに買い求めやすい価格のモデルを提供できるだろう。一方で商品企画、開発や品質チェックは従来どおりシャープがメインになって担当していく」と、両社の役割を話す。
海外におけるブラウン管からの買い替え需要を促進するとともに、国内では4Kテレビと8Kテレビに照準を定める。発表会場には参考出品として120V型の4Kテレビを展示。「120V型はBtoB向けモデルとしてのスタートを想定しているが、大画面へのニーズは根強い。8Kテレビは、すでにNHKにも納入しており、リオデジャネイロオリンピックでのパブリックビューイングにも使用された。明言はできないが本放送前にはコンシューマ向けに導入したい」(喜多村氏)とした。
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