ママ友の“クチコミ”で探す英国発のベビーシッターアプリ「Bubble」

 共働き世帯が増える中、日本の保育をめぐる厳しい状況が続いている。1986年に全世帯の15%強だった3世代世帯は、2010年には8%弱まで減少(厚生労働省調査)。晩婚化・晩産化が進み、結果的に祖父母も高齢化している。また、ご近所付き合いが希薄になってきており、社会全体で子どもの面倒を見るという文化も衰退している。働く親の悩みは尽きない。

 そんな中、「ベビーシッター」の利用者が増えつつあると聞く。しかし、日本には “育児は母親” という価値観が根強く、母親自身も子どもを預けることに罪悪感を覚えやすいため、浸透しているとはまだまだ言えない。それに、共働き世帯が子どもを知らない人に預ける際には、「信頼できる相手かどうか」の確認が最重要課題となっており、抵抗感もあるだろう。

「Bubble」
「Bubble」

 今回は、そうした課題の解決をベビーシッターの文化が浸透する英国で目指す「ベビーシッターマッチングアプリ」を紹介する。ワーキングマザーを支援する日本の企業にぜひ参考にしてもらいたいアイデアだ。

ベビーシッターが浸透している英国の日本とは異なる事情

 アプリの紹介の前に、まずは英国でなぜベビーシッターが浸透しているのか、その背景を紹介したい。日本のワーキングマザーが頼るのは保育園だが、英国を含む欧州のワーキングマザーにとってはベビーシッターが「子育てのブレーン」だ。ベビーシッターを雇う背景には、日本とは異なる事情がある。

 英国では、Stateと呼ばれる公立幼稚園に3歳で入園でき、公的補助として週15時間無料で保育を受けることができる。しかし「公立保育園」といったものはなく、3歳未満の子どもを預かってもらうには、私立の保育園かベビーシッタ(ナニー、チャイルドマインダー)に預けるしか選択肢がない。

 私立の保育園に週5日フルで子どもを預けると、1カ月の保育料は約15万円となり、より良い園を選ぼうとすればさらに高額となる。所得の低い人などには手当もあるが、かなりの負担であることに変わりはない。

 また「小学校への送り迎えは、親かそれに同等する者」という義務や、「6歳未満は、家で留守番などをさせてはならない」という定めもあるため、産休を取ったもののコストに二の足を踏み、そのまま会社を辞めてしまう人もいるようだ。

 2歳くらいからは、「ナーサリー(日本で言う幼稚園)」のコストがぐんと安くなるため、子どもが1〜2歳になってからは仕事に復帰する人が多い。“ゆりかごから墓場まで”という社会福祉政策のスローガンがうたわれている英国だが、ワーキングマザーにとって環境が整っているとは言いがたい。それでも、英国のワーキングマザー率は日本よりも多いのが現状だ。

信頼できるベビーシッターをママ友のクチコミで探す--マッチングアプリ「Bubble」

 英国で7月に新しくリリースされた「Bubble」は、仕事を探している“ベビーシッター”と子どもを預けたい“保護者”をマッチングするアプリで、iOSとAndroidに対応している。エンジェル投資家からの出資を得て本サービスを立ち上げたのは、前述の悩みを抱えていた2人のパパである。

 Co-FounderのAri Last氏とAdrian Murdock氏は、我が子を預けるために本当に信頼できるベビーシッターを探すのに最適な方法は何かと考えた。その中で、”シッターの派遣会社を利用する“ ”他のママ友に紹介してもらう“ 以外の方法を模索し、本サービスを考えついたという。

「Bubble」アプリロゴ、Co-FounderのAri Last氏とAdrian Murdock氏
「Bubble」アプリロゴ、Co-FounderのAri Last氏とAdrian Murdock氏
(ソース:Bubbleウェブサイト)

 Bubbleの特徴は、「個別IDのある登録ユーザー以外は閲覧できないこと」「他のSNSユーザーからの評価を確認できること」という2点。子どもを持つ保護者は、同じ学校に通う子どもの両親や近所のママ友とSNSでつながっていることが多い。そういった身近な人から高評価がついているシッターであれば、信頼できる可能性はぐっと上がると考えたのである。

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