KDDIは、まだフィーチャーフォンが全盛期だった2002年に「着うた」を、また2004年に「着うたフル」を、携帯キャリアとして初めて提供。さらに、2006年からは「LISMO!」ブランドで携帯電話で音楽を聴く楽しみ方を提案するなどして、“音楽に強い携帯キャリア”としてユーザーに訴求してきた。
しかし、iPodやスマートフォンの登場によって、ユーザーは好きな楽曲をCDから取り込んで音楽データとして持ち歩くようになり、音楽を配信する主力事業者も携帯キャリアから、アップルやグーグルなどのプラットフォーマ―へと移っていった。こうした市場環境の変化もあり、音楽に強いというauのイメージはここ数年、薄れていたように思える。
そんな中での今回の音楽ライブ生配信は、音楽に対するauの本気度を再び感じさせる取り組みといえる。同社は単に音楽ライブの模様を生配信しただけではなく、auの展開するさまざまなサービスやチャネルを通じて、包括的にイベントを支援していたからだ。
まずライブ開催前には、「ぴあ」とともに展開するエンタメ情報サイト「uP!!!」を通じてライブの先行受付けやチケットプレゼントを実施。また、定額制音楽配信サービス「うたパス」と「KKBOX」内で、SLSに出演するアーティストが選んだ楽曲を一緒に聞きながら、アーティストと直接チャットができるイベント「Listen with」を展開した。さらに、うたパス内にはSLSの予習専用チャンネルを開設した。
そして、SLSの開催日である8月26日から3日間は、「FOREST STAGE」のライブの模様を生配信。会場には「uP!!!」のブースも出展し、マルチキャリア対応の充電コーナーや、アーティストのサイン入りTシャツなどが当たるグッズプレゼントなどを実施した。またライブ終了後には、うたパスで出演アーティストの復習用セットリストを配信するなどしている。
同社の担当者は、「(KDDIは)2002年から音楽を支援してきたので、アーティストとの関係も構築している。LISMO!の頃に比べるとまだ弱いかもしれないが、もう一度『音楽といえばau』と思ってもらいたい」と語る。KDDIでは今後も、デジタルとリアルの両面で、音楽を通じた新たな体験価値をユーザーに届けたいとしている。
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