文字盤からバンドまで全部電子ペーパーの腕時計--ソニーの「FES Watch」に新モデル

 ソニーは8月29日、電子ペーパーを搭載し、文字盤からバンドまで柄を自由に変えられる腕時計「FES Watch」の第2弾プロダクトとして「FES Watch U」を発表した。同日より、同社の「First Flight」にてクラウドファンディングを開始した。

ソニー新規事業創出部Fashion Entertainments Projectリーダーの杉上雄紀氏と「FES Watch U」
ソニー新規事業創出部Fashion Entertainments Projectリーダーの杉上雄紀氏と「FES Watch U」

 電子ペーパーを紙としてではなく、「柄が変わる布地」として時計に採用。文字盤からバンドに至るまで、アクティブマトリクスのフレキシブル電子ペーパーを組み込み、時計全体のデザインをユーザーが変更できる。FES Watch U単体で最大24デザインテーマを保存でき、1時間に1度デザインを変更可能だ。

 柄のデザインはソニーのクリエイティブセンターが手掛けた12種類のほか、TAKT PROJECT、CEKAI Tokyo、Bob Foundationなどのクリエーターとコラボレーションしている。また、専用ストアを開設し、クリエーターがオリジナルデザインを制作できる。一方で、ユーザーは専用のスマートフォンアプリ(当初はiOS版を提供)を通じてデザインデータをダウンロードし、Bluetooth経由でFES Watch Uをカスタマイズできる。

コラボレーションするクリエーターたち。左から、初代FES Watchのデザインも手がけたTAKT PROJECTの吉泉聡氏、CEKAI Tokyoの安田昴弘氏、杉上雄紀氏、Bob Foundationの朝倉充展氏と朝倉洋美氏
コラボレーションするクリエーターたち。左から、初代FES Watchのデザインも手がけたTAKT PROJECTの吉泉聡氏、CEKAI Tokyoの安田昴弘氏、杉上雄紀氏、Bob Foundationの朝倉充展氏と朝倉洋美氏

 本体は、サージカルステンレス(SUS316L)製のケース、ガラス風防、電子ペーパーを挟み込んだシームレスなベルトなどで構成され、細部の質感にこだわっている。初代にあたるFES Watchでは、コンセプチュアルなプロダクトとしてシンプルなデザインを採用していたが、FES Watch Uでは、より本格的な時計としてソニーのクリエイティブセンターがデザインを担当した。

 FES WatchのカラーはPREMIUM BLACK、SILVER、WHITEの3種類。PREMIUM BLACKは、特別モデルとして風防に反射防止加工を施したサファイアガラスを採用し、ケースのブラックの部分には、チタン化合物をコーティングしたイオンプレーティング処理を施している。風防、ケースともに耐久性を向上している。

 リチウムイオンバッテリーを内蔵し、連続動作時間は約3週間、充電時間は2.5時間。lPX5/IPX7の防水機能も搭載する。価格は、SILVERとWHITEが4万9680円(先行割引として24台限定で10%オフの4万4710円)、PREMIUM BLACKが5万9940円(同じく24台限定で5万3940円)。

  • 文字盤からバンドに至るまで電子ペーパーが組み込まれており、任意のデザインに変更できる

  • 文字盤を飛び出したデザインも可能となる。本体の質感も大幅に向上した

  • FES Watch U単体でデザインを変更できるほか、専用のスマートフォンアプリからデザインデータをダウンロードすることができる

 FES Watch Uの開発を統括した、ソニー新規事業創出部Fashion Entertainments Projectリーダーの杉上雄紀氏は、「ゲーム、映画、音楽などの分野でデジタル化が進み、特にゲームは、トランプといったアナログなものからビデオゲーム、スマートフォンゲームが主流となり、業界全体でデジタル化を推し進めている。一方、物体として、まだデジタルの要素が入っていない分野を考えた時、まるっとデジタル化する余地がある領域として、ファッションに目が止まった」としている。

 FES Watch Uは、ソニーの新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program(SAP)」と呼ばれる社内スタートアップ支援プログラムから生まれたもの。杉上氏は、もともとテレビと連携するスマートフォンアプリなどを開発していたが、デジタル・ファッション事業を発案し、2013年より有志を集めて活動を開始。同事業の初のプロダクトとして、FES Watchを2015年12月より販売を開始している。

  • ソニーストア5階では、「eBoutique 2020」として、「もしも柄が変わる布地があったら?」として、生活品をデジタル化したコンセプトモデルを展示している

  • フレームのデザインを変えられるメガネ

  • 表面の柄を変えられる財布

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