UPDATE Uberの2016年上期は、損失額が少なくとも合計12億7000万ドルにのぼるという。Bloombergが事情を知る情報筋らの話として報じた。
その損失額は、成長が著しいというシェアリングエコノミーの話題に疑問を投げかけるものである。車やアパートなどのリソースの再利用は、雇用を生成し、ビジネスを一変させ、人々の生活を変えるものであるはずだ。この動きを大きくけん引するUberが収益化できていないという。
Bloombergによると、Uberの第1四半期の税引および償却前の損失は5億2000万ドルだという。第2四半期には少なくとも7億5000万ドルの損失を計上している。さらに懸念されるのは、多くの都市で同社が確固たる基盤を確立している米国でも損失が生じていることだ。
Uberは非公開企業であるため、財務状況を公開する義務はない。Uberの財務を統括するGautam Gupta氏が、株主らとの電話会議でこれらの数値を明らかにしたという。
Bloombergによると、世界的な損失の大部分は、Uberのドライバーに対する補助金によるものだとGupta氏は述べた。
Uberは今が最悪の時なのかもしれないという。Bloombergによると、Uber Chinaと中国の競合企業Didi Chuxingが合併することで8月初めに合意しており、今後損失はおそらく減少する。Didi Chuxingから10億ドルの出資を受けることにより、Uberのバランスシートから中国での損失がなくなるためだという。このことは、好転に寄与するかもしれないが、これで十分だろうか。Uberが他の分野に関心を示す可能性も考えられる。
AltimeterのアナリストであるBrian Solis氏は、UberをAmazonになぞらえている。Amazonも損失を計上してきたが、根本としては単なるEコマースに留まらないはるかに大きな野心を抱いている。人々が商品を購入する方法を変えたいと思っているのだ。
「Uberは、米国だけでなく世界中で、A地点からB地点に行くまったく新しい方法を導入してきた。それには、巨額の費用がかかる」とSolis氏は言う。
Uberは、単なる配車サービスにはとどまらないだろう。同社が自動運転車をテストしているのは周知の事実であり、このことは、将来的なビジネスモデルの移行を示唆しているとも考えられる。これは、即効性や確実性がある話ではない。だが、投資家は、もっと大きな何かが世界に登場しようとしていると考えて、喜んでリスクを負うとSolis氏は指摘する。
同氏は、「Uberはずいぶん前から、シェアリングエコノミーのさらに先を進んでいる」と述べた。Uberはこれまで、オンデマンド経済の起爆剤だった。どんな分野であれ、その分野のUberになりたいと考えている企業について耳にする度に、それがはっきりと分かる。
Solis氏によると、Uberは、スマートフォンとアプリを使って欲しい時に欲しいものを手に入れることに消費者を慣れさせつつあり、それは、シェアリングエコノミーよりもはるかに強力なものになるだろう。
「オンデマンドな交通手段の未来への地ならしをしているだけでなく、消費者の期待も、Uberが複数の業界でオンデマンドサービスを提供してくれるのではないかという方向に変えようとしている。Uberは、単なる交通手段に留まらないもっと大きな存在なのだ」(Solis氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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