ChipSIP Technologyは8月25日、台湾市内のオフィスで日本メディア向けに、AR市場の今後の見通しや自社製品を紹介する説明会を実施した。
世界中で大人気の「Pokemon GO」。台湾でも日本に負けない熱狂ぶりで、台湾ChipSIP Technologyプレジデントのジョージ・タイ氏もAR技術の応用事例の1つとしてプレゼンテーションで取り上げた。
2002年に起業したChipSIP Technologyは、これまでカメラ、GPS、通信などの各種モジュールやチップセットの開発を手がけてきた。小型モジュールやチップセットの開発で培ったノウハウを武器に、近年同社が注力しているのが、ARスマートグラス製品群だ。メガネのサイドフレームのようなわずかなスペースにGPS、Wi-Fi、Bluetooth、センサ、タッチスクリーン、メモリ、カメラ、マクロディスプレイなどを実装したARスマートグラスを、「SiME」シリーズとして製品展開するほか、OEM/ODMも手がけている。
説明会の冒頭、AR市場の今後の見通しについて語ったタイ氏。2020年にはVR/AR市場が1500億ドル規模になるという、英国の調査会社Digi-Capitalのレポートを取り上げ、「1500億ドルのうち、VRが300億ドルなのに対し、ARは1200億ドルと予測されていて、圧倒的に市場規模が大きくなっている。それだけARの応用範囲は広いということ」と紹介した。
中でもARを身につけることで、さまざまな情報を得ながら両手を自由に使えるスマートグラスへの期待は大きく、「Microsoft、Google、Appleなど、名だたる企業が開発に名乗りを上げるなど、注目されている」とタイ氏。
その活用例としては、冒頭のPokemon Goのようなゲームやエデュケーションといったパーソナルなものから、ナビゲーション、ガイドのようなソーシャルなもの、さらに現場での作業をサポートするといったビジネスの特定分野で使用されるものがあり、特に後者については、「すでにさまざまな現場で導入が進められている」という。
同社ではこうした新しい市場に向けて、メガネ型の「SiME Smart Glasses」、ヘッドセット型の「SiME Smart AR」など、さまざまなタイプのARスマートグラスを「SiME」シリーズとして展開。
搭載されたカメラやサーモなどの各種センサを用いて、「作業状況や、温度や湿度、作業員の体調のチェックなど、現場作業のモニタリングが可能」(タイ氏)なほか、透過型のマイクロディスプレイに作業手順をビジュアルで表示で指示するなど「遠隔地から現場をガイドするといった使い方もできる」という。
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