米大手通信事業者T-Mobileは、加入者契約におけるデータ制限を廃止する。この動きは、移動体通信業界が値下げ圧力の弱まる緊張緩和に達しつつあるとの考え方を否定するものだ。競合のSprintも同様に、新たな無制限のプランを提供する。
T-Mobileは、第12回を迎えたイベント「Un-carrier」で、「T-Mobile ONE」という名称のプランを通じて契約者全員に無制限のデータプランを提供すると発表した。T-Mobile ONEには、無制限の通話、ショートメッセージサービス、データ通信が含まれる。
これによりT-Mobileは、Verizon WirelessおよびAT&Tで利用者が多いファミリープランの後を追いかけることになる。VerizonとAT&Tは、プランのデータ通信容量を増やしている。
JefferiesのアナリストであるMike McCormack氏はT-Mobileのプランについて、最初こそ1ユーザーあたりの平均売上高が急減する可能性があるものの、顧客の生涯価値は他社より高いという。ファミリープランは、T-Mobileの第2四半期決算が好調だった理由の1つだ。
T-Mobileのプランでは、自動引き落としの場合、無制限プランの月額が1回線目は70ドル、2回線目は50ドル、3回線目以降は最大8回線まで20ドルだ。自動引き落としにしない場合は、各料金に5ドルが追加される。これらのプランは、従業員数名の設立間もない企業にとっても便利かもしれない。
さらに、T-MobileとSprintはモバイル向けサブスクリプションモデルを強化しようとしている。
1つ注意すべきは、トラフィックが優先順位付けされることで、1カ月に26Gバイト超の高速データを利用している3%の契約者は速度が遅くなる可能性があるということだ。T-Mobileの契約者は現在利用中のプランを継続することもできる。
Sprintは「Unlimited Freedom」プランで異なるアプローチを採っているが、料金の仕組みは似ている。Sprintは無制限の通話、ショートメッセージサービス、データ、「最適化されたストリーミング動画、ゲーム、音楽」を1回線目は月額60ドル、2回線目は40ドル、3回線目以降は最大10回線まで30ドルで提供する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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