オープンデータの活用を積極的に推し進める神戸市では、職員および市民のデータ活用リテラシー向上を目的とする研修「神戸市データアカデミー」を開催。第1弾として課長級職員を対象とした研修を行い、対象となる730名が全員参加した。
今回の狙いは、現在のオープンデータや神戸市の活動について庁内全体で情報を共有し、市民からの協力要請に対応できる体制を整えることにある。オープンデータの基礎を学ぶ必須講座と3つの選択講座で構成され、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室の犬童周作参事官、佐賀県元最高情報統括監(CIO)の森本登志男氏、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの庄司昌彦主任研究員が講師を務めた。対象職員は6回の開催中いずれかに参加せねばならず、どうしても参加できない場合はビデオ受講を行った。
「自治体内でのデータ活用の重要性について」というテーマで講演が行われた。犬童氏は、オープンデータを取り巻く社会背景や諸外国での動き、それらを受けた政府や自治体の動きについて詳しく解説。
平成24年から進める「電子行政オープンデータ戦略」やデータカタログサイト「DATA.GO.JP」をはじめ、ガイドラインやデータカタログとダッシュボードと呼ばれるアプリケーションのパッケージ化など自治体で活用できるツールを用意していること。また、それらを活用した事例をまとめた「オープンデータ100」を公開している。さらに、オープンデータ伝道師と呼ばれる8名のメンターを任命し、今回のような研修や直接相談といった人的対応を行っていることも紹介された。
このような講習会を行う自治体は神戸市以外にも増えているそうだが、全体としての認知度はまだ低く、犬童参事官は「オープンデータについては自治体の全ての課で活用できると知ってもらう必要がある」と言う。今回の研修は実施直後に利活用できるか相談があったことから、研修を実施した神戸市企画調整局は「まずは何か課題解決のヒントが見つかるかもしれないと、現場に思ってもらうのが大事」としている。
神戸市では第2弾として、データを活用した政策立案や業務効率化を行う実践的なワークショップ型のデータアカデミーを現場職員向けに10月から行う予定。現在公開しているごみ分別アプリ「5374(ごみなし)神戸版」や「AED MAP KOBE」に続く活用事例を1つでも増やすことを目指す。
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