東芝4~6月期、黒字転換--構造改革で固定費削減、効果が顕在化 - (page 2)

メモリは3次元への移行期

 2016年度の連結業績見通しは、売上高が前年度比10.0%減の5兆1000億円、営業利益は1200億円、税引前利益は850億円、当期純利益の1000億円は据え置いた。上期(4~9月)業績については、売上高で1200億円増の2兆4700億円、営業利益は500億円増の300億円、税引前利益が300億円増のトントンとしたほか、当期純利益は500億円増の700億円とした。

 「上期業績が上振れる見通しであるが、7月の1ドル=103円であった為替レートを、下期の為替レートを1ドル=100円に変更していること、内外の経済情勢の不透明感もあり、通期見通しについては5月12日の公表値は変更しない」

 上期見通しでは、ストレージ&デバイスソリューションの売上高で670億円増の7670億円、営業利益は285億円増の370億円を見込む。

 「絶対値としては、通期としては300億円の黒字になるが、緊急対策で、賞与を削るといった部分で年間900億円の改善効果がある。また、ストレージ&デバイスソリューション事業もNANDメモリは黒字化しているものの3次元への移行期ということもあり、実態としては上期もまだ予断を許さない状況。危機感を持って取り組んでいく」と述べた。

 Chicago Bridge & IronからのWECに対する訴訟提起については、「第三者会計士に判断を委ねることの差し止めを求めるものであるため、訴訟による当社業績に影響はないと考えている」と説明した。平田氏は会見冒頭、「2015年度の業績発表では、監査人との見解の相違やわれわれの誤りがあり、もう一度会見を行うという事態になった。今回は慎重を期すということで新たな監査人(PwCあらた監査法人)からレビュー報告書をもらってから発表をしている。45日以内だが、休日の谷間になったことは申し訳ない」と陳謝した。

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