米政府は、イスラム過激派組織ISISのソーシャルメディアにおける影響力や兵士の採用能力が衰えているとして、ISISに対するオンラインでの戦いに勝利したと主張している。
Associated Press(AP)は米国務省当局者の発言として、Twitterをめぐる戦いでISISがこの2年間に45%のトラフィックを失ったと報じた。
この減少は、米政府がテロリストのメッセージ発信やオンラインでのプロパガンダに対抗する目的で3月に設置したGlobal Engagement Center(GEC)による取り組みの成果だ。GECは、ISISのプロパガンダに対抗するために独自のメッセージを発信している。たとえば、アラビア語の単語や語句で描かれたテディーベアの絵を使って、「(ISISは)子供たちを虐殺している」とか「(ISISは)無実の人たちを殺している」といったメッセージを発信している。
米当局は、画像やメッセージをアラビア語で発信し、地域のコミュニティーの「信頼できる人たちの発言」を通じてそうした画像やメッセージを広めることによって、オンライン戦争の最前線で過激なメッセージに対抗したいと考えている。
一方、民間企業もインターネットにおけるテロ組織の力を弱めるための取り組みに乗り出している。たとえば5月には、Facebook、Twitter、Microsoft、そしてYouTubeが、ヘイトスピーチやテロリストのプロパガンダの拡散を抑える目的で欧州連合(EU)が制定した新しい規約に署名している。
米政府がオンラインの戦場に臨むのはこれが初めてではない。4月には、国防副長官のRobert Work氏が、ISISに「サイバー爆弾を落とす」と発言している。これは、ISISのネットワークに侵入して、内部からメッセージを操作するというものだ。
GECの責任者Michael Lumpkin氏は、APの取材に対して次のように語っている。「われわれはISILに対し、オンラインで思うままに活動できる能力を与えないための取り組みを続けており、彼らのソーシャルメディアにおけるプレゼンスは弱まっている。また、ISILに反対する人たちがソーシャルメディアでますます声を上げるようになっている。これは、ISILが兵士を採用する能力を弱めるだけだが、それこそがメッセージを使ったわれわれの取り組みの主要な目的だ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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