ソーシャルメディア大手Twitterがイスラム過激派組織「ISIS」の発言を許したとして、ヨルダンで殺害された米国人男性の未亡人が同社を提訴した。
2015年11月9日にアンマンの警察訓練センターが襲撃された際に死亡したLloyd Fields氏の未亡人でフロリダ在住のTamara Fields氏は、Twitterが承知の上でISISにネットワークを利用させ、プロパガンダの拡散、資金獲得、新規加入者の獲得を行わせたと述べている。
Fields氏はTwitterについて、最近までISISに対して公式Twitterアカウントを管理する「自由な」権限を与えていたと主張している。
カリフォルニア州オークランドの連邦裁判所に米国時間1月13日に提出された原告側の最初の申し立ては、「この数年間でISISが世界で最も恐ろしいテロリスト集団に爆発的に成長することは、Twitterなしではあり得なかった」としている。
Fields氏は、Twitterが米国の反テロ法である米国愛国者法に違反していると非難した。同法は、テロリストへの物質的な支援に対して3倍賠償を認めている。
Fields氏の弁護士によると、ソーシャルメディア企業が米国愛国者法に違反したとして提訴されたのは初めてだろうという。
この訴訟により、ソーシャルメディア企業に対して、テロリスト集団に関連した投稿を削除せよという圧力が高まる可能性がある。
Twitterは、この民事訴訟に関する声明で次のように述べている。「われわれは、この訴訟に法的根拠がないと考えているが、ご遺族が失ったものを考えると深い悲しみを禁じ得ない。暴力的な脅迫やテロリズムの宣伝がTwitter上に存在することは許されない。他のソーシャルネットワークと同様、当社の規則はそのことを明確にしている」
Fields氏は、Twitterが同社の技術によってテロリストを支援していたことを認識していた、もしくは知っていたはすだと証明する困難な戦いに立ち向かうことになるのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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