Facebookは米国時間7月6日、世界のほとんどすべての場所でセルラーネットワークを利用可能にする取り組みの一環として、人里離れた場所にも配備できる新しいワイヤレスアクセスプラットフォームの設計と試験を行っていることを明らかにした。
「OpenCellular」と名付けられたこのプラットフォームは、ネットワークボックス、あるいは2GからLTEに至るさまざまなネットワークサービスに対応するアクセスポイントなど、多様な通信オプションをサポートできる。また、あらゆる人のネット接続のニーズに合わせてカスタマイズできるため、農村部でも都市部でもネットワークを構築できるという。
このシステムのコンポーネントは、地面からの高さが1メートルほどある場所、例えば木やポールなどに取り付ければいいので、1人でも設置できる。このシステムには、ストラップ、取り付け用ブラケット、ケース、そしてGeneral-Baseband Computing(GBC)ボードと無線周波数(RF)ボードという2つのサブシステムが付属している。
GBCボードには、電源、ハウスキーピング用マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、タイミング/同期モジュール、センサー、そして制御機構が備わっている。また、さまざまな入力電源を利用できるように設計されており、Power over Ethernet(PoE)、太陽光、DC電源、外付けバッテリ(密閉型鉛蓄電池)、内蔵バッテリ(リチウムイオン)などをサポートしている。センサも多数搭載され、温度、電圧、電流などをモニターできる。
RFボードには、システムオンチップ(SoC)とソフトウェア無線(SDR)という2つのバージョンがある。どちらもオープンソースおよび商用のさまざまなセルラースタックをサポートする。
システムの保守に手間がかからないようにするため、Facebookは、既存のオープンソースのリアルタイムオペレーティングシステムを採用し、リモートで実行および監視が行えるようにしている。
このプラットフォームの最初の実装は2016年夏ごろに利用可能になる予定だが、Facebookはそれまでの間、本社内で試験を行うと同時に、OEMやODMとの協業を進め、このプラットフォームを広く普及させたいとしている。また、「Open Compute Project」の通信インフラ版とも言える「Telecom Infra Project」に参加している他のメンバーと連携して、OpenCellularを導入する場所を選定したい考えだ。
Facebookは、OpenCellularのハードウェアとソフトウェアの設計を、必要なファームウェアや制御ソフトウェアとともにオープンソース化する計画だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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