より高速で低価格、そして、完全にワイヤレスな状態で使えるブロードバンド接続サービスはないのだろうか?
新興企業Starryはこれを実現可能と考えており、ケーブル会社や電話会社に取って代わろうとしている。
ニューヨークとボストンに拠点を置く同社は、すでに倒産しているAereoでテレビ業界に揺さぶりをかけようとした人たちが立ち上げた企業で、インターネット接続サービスを提供する大手ケーブル会社や通信会社との新たな競争を生み出したいと考えている。同社は、「Starry Internet」と呼ばれるワイヤレスブロードバンドサービスを既存プロバイダーよりも低価格で提供することを計画している。今夏、ボストンで提供を開始し、年内には対象都市を拡大する計画だ。最終目標は、全米展開だ。
Starry関係者によると、料金はまだ決定していないが、既存サービスに比べて安くなるだろうという。その理由として、各家庭にケーブルを敷設する必要がないことを挙げている。
「有線インフラは実に厄介」とStarryの最高経営責任者(CEO)のChet Kanojia氏は米国時間1月27日、マンハッタンで開催されたプレスイベントで述べた。「ワイヤレスに移行するべきだ」(Kanojia氏)
Starryが最大1ギガビット接続(米国の家庭用ブロードバンドの平均速度と比べて10倍)を約束通りに提供できれば、ブロードバンド業界を一新できる可能性はある。これは、ケーブル会社や電話会社が提供するほとんどのサービスをはるかに凌ぐ速度だ。Starryは、高速オンラインアクセスを代替する可能性を持つ新たな存在の一角をなしている。その一角をなすライバルにはGoogleが70ドルで提供する「Fiber」など、市場にある数サービスが含まれる。
このような取り組みは一部の市場で、接続速度の改善を既存のインターネットサービスプロバイダーに促している。また、常にやり玉に挙がるカスタマーサービスの整備を進める可能性もある。2015年のAmerican Customer Satisfaction Indexの調査では、顧客満足度で最も評価が低い企業の「大半」をインターネットサービス企業もしくは有料テレビ企業が占めており、Time Warner Cableが最下位にランクインしている。
「競合する代替サービスに対しては、さまざまな感情があると思うが」とKanojia氏は述べる。「市場に十分な競争があると考える人は1人たりともいないと思っている」(Kanojia氏)
ワイヤレスブロードバンドを提供する大規模の取り組みは他にもあり、WinStarやClearwireがそれに該当するが、うまくいっていない。
Verizonはコメントを拒否している。ComcastやTime Warner Cableを含むケーブルプロバイダーにもコメントを求めているが、回答は得られていない。
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