B&O PLAYに見るオーディオデザインのあり方--Bluetoothスピーカ、イヤホンを発表

 ヘッドホンやワイヤレススピーカなど、オーディオを持ち運ぶ、持ち歩くニーズの高まりとともに、より重視されるようになった要素の1つがデザイン性だ。豊富なカラーバリエーションやアクセサリのようなヘッドホンなど、最近では「かわいい」「美しい」と感じるポータブルオーディオが数多く登場している。

 その中でも、本革やアルミなどのマテリアルを組み合わせることで、独自のハイデザインオーディオを数多く世に送り出しているのが、デンマークに拠点を置くB&O PLAYだ。約90年の歴史を持つオーディオブランド「Bang&Olufsen」のカジュアルラインとして2012年に登場して以来、デザインは独創的かつハイセンス。7月5日には、B&O PLAYの中で最小サイズを実現したBluetoothスピーカ「Beoplay A1」(税込価格:2万9900円)と、同社初のBluetoothイヤホン「Beoplay H5」(同:2万9900円)を発表した。

 発売を前に、グローバル・プロダクトマネージャーのソフィー・H・キルドセン氏とBeoplay A1のデザイナーであるセシリエ・マンツ氏が来日。新製品の特徴やデザインについてのこだわりなどを説明した。

左から、グローバル・プロダクトマネージャーのソフィー・H・キルドセン氏とBeoplay A1のデザイナーであるセシリエ・マンツ氏
左から、グローバル・プロダクトマネージャーのソフィー・H・キルドセン氏とBeoplay A1のデザイナーであるセシリエ・マンツ氏

本革、アルミと素材には本物を使うというポリシー

 グローバル・プロダクトマネージャーのソフィー・H・キルドセン氏は、B&O PLAYを「90年の歴史を持つスタートアップ企業」と表現する。同社が柱に据えるのは「SOUND」「DESIGN」「CRAFT」の3つ。なかでもデザインについては「細部にまで目を配り、本物の素材を使う。レザーに見えるものは本物のレザー、アルミに見えるものは本物のアルミであることが重要」(キルドセン氏)と、ポリシーを貫く。

 Beoplay A1もその言葉どおり、アルミニウム製のドーム型筐体を採用したBluetoothスピーカだ。ドーム表面は突出したボタンやレッグ部分のないフラットなデザインで、ソフトレザー製のストラップを付属する。

 本体には、3/4インチトゥイータと3.5インチ・フルレンジスピーカを1つずつ搭載し、最大出力140W×2のアンプを装備。パワフルな低音再生を実現する。サイズは高さ4.8cm×幅13.3cm×奥行き13.3cmで、重量約600g。高耐久性設計で、ホコリや水に強くアウトドアでの使用にも最適だ。リチウムイオン充電池で駆動し、約2.5時間の充電で、最大約24時間の再生に対応する。

 デザインを手がけたのはこれまでにもB&O PLAYのスピーカを複数デザインしてきたセシリエ・マンツ氏。「Beoplay A1で特に気に入っている点は、側面のスムーズな処理。アルミからプラスチックに素材が切り替わる部分が波に打ち寄せられた石ころのようにスムーズに表現できた。円形を採用したのは、バッグに入れたり、手を持った時にスムーズな形であることを重視したため。携帯性を考えてこの形にした」とデザインの経緯を話した。

  • ボディカラーはナチュラルとグリーンの2色

  • デザイナーのマンツ氏は「側面のスムーズな処理がお気に入り」とのこと。ソフトレザー製のストラップが付属する

 一方、Beoplay H5は、高いフィット感や高耐久性を保持しながら「スポーツ用ヘッドホンとは位置づけておらず、日常使えるヘッドホンとしてポジショニングしている」とキルドセン氏は説明。独自の6.4mmダイナミックドライバを搭載し、オールラウンドなサウンドを目指したという。

 オーディオコーデックは、apt-X、AACに対応し、4サイズのシリコンイヤーチップに加え、3サイズのComply Sportイヤーピースを付属。長めのケーブルやマグネット式のハウジングを採用するなど、使い勝手にもこだわった。

 100mAhの充電池を搭載し、最大約5時間の連続使用が可能。イヤホンに同梱されたチャージングキューブにセットすることで充電ができるほか、ハウジング部を合わせることで自動的に電源が切れるなど、便利な仕様を採用する。

 デザインはヤコブ・ワグナー氏が担当。布製のケーブル部はスニーカの靴紐からインスピレーションを受けて採用したものだという。

  • ボディカラーはダスティローズとブラックの2色

  • チャージングキューブにセットすることで充電ができる

  • マグネット式のハウジングを採用

「インスピレーションは降りてこない」、A1デザイナーが語る苦悩と努力

 発表会場では来日したマンツ氏に対する質疑応答のコーナーも設けられた。デザインする際にどこからインスピレーションを得るかという質問に対し「インスピレーションは天から降りてくるものではなく、大変な努力を要するもの。スケッチを繰り返したり、プロトタイプを作ったりすることが大事。想像するよりも大変」と苦労を話した。

 またプロダクトデザイナーとして一番難しいことは、と問われると「選択し続けること。適切な判断をすることが大事で、その選択には大きな責任が伴う」とした。オーディオ製品は珍しい柔らかなカラーリングを採用していることに対しては「カラーは重要なファクターなので、後から決めるものではない。デザインプロセスの中でチョイスしている」と明かした。

 デザインをブランドの大きな柱の1つと位置づけ展開するB&O PLAY。キルドセン氏は、パフォーマンスに非常に満足している人が86%、またB&O PLAYの製品を買いたいと思っている人69%、商品のデザインで購入を決めた人50%というユーザーの調査結果を公開し、「この結果から“3つの柱”は確実に充足されていることがわかる。B&O PLAYは先進的なオーディオにおけるライフスタイルブランドになりたい」と今後について話した。

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