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パナソニック株主総会「増収による増益を目指す」--電池は安全性でアドバンテージを - (page 2)

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現在の状況で売上高だけを追求するとデメリットの方が大きい

 10時50分頃から株主の質問を受け付けた。

 2018年度に売上高10兆円の計画を取り下げたことについては、「10兆円への成長は高いハードルであり、段階を踏んでいくこと、1年ずつが勝負であると語ってきた。これは、大きな未達になったらやり方を変えようという意味もあった。2015年度における経営環境への変化は想定以上に大きく、新興国の通貨安など為替の影響もあった。2015年度に掲げた売上高8兆円の目標に対して、これだけ大きな未達があり、この状態のまま売上高だけを追求していくと、デメリットの方が大きい。かつてのプラズマテレビは、利益が出ない状況で売上げを追い、健全な状況にはならなかった。

 恥ずかしい話だが、売上高の目標を下ろし、利益の目標達成に集中する。半分は車載関連で利益を伸ばせる。それ以外は各カンパニーで伸ばす考えである。2015年度は、売上げ拡大に少しアクセル踏んだ1年であったが、アクセルを踏んでも売上げが下がっていく事業もある。そうした事業が含まれているのが、いまのパナソニックである。右肩上がりの事業構造へとシフトし、BtoBでの市場シェアも高めていく」とした。

 営業利益率よりも営業利益額を重視している姿勢については、「営業利益率は、売上高と為替が安定しているときには意味があるが、売上げを大きく伸ばし、さまざまな影響がある今の状況においては、それを採用するのが難しい。成長領域から利益を獲得し、既存事業の収益性を高めていく上で、営業利益率ではなく、営業利益額とした。だが、社内では、最低で5%という営業利益率を掲げてきた。これを最低線と考えている」とした。

 パナソニックにおけるIoTへの取り組みについては、代表取締役専務である宮部義幸氏が回答。「パナソニックの製品は、なんらかの形でネットワークにつながっている。テレビは10年以上前からネットにつながっており、新たな機能の追加もネットを利用している。家電製品でもネットワークにつながるものが増えている。パナソニックは、社内にIoTコンソーシアムを設置。ここで各カンパニーの代表者が情報を共有して、価値の提供に取り組んでいる。2016年、2017年といった早い時期に成果をみせたい。また、当社が提供する会員サイト『CLUB Panasonic』では、800万人以上が参加している」などとした。

 津賀社長は「家電と住宅の間をどうつなぐのかが重要である。別々に活動するのではなく、お客様に密着した形で行う必要がある。具体的には、住空間プロジェクトとして、家と家電がどう融合するのかといった取り組みをしている。この取り組みを一層深めたい」と語った。

 AI(人工知能)への取り組みについては、宮部氏が回答。「パナソニックの内部にも技術者はいるが、人材不足を認識している。専門知識を持った人材の採用や、大阪大学と一緒になってAI人材育成講座もスタートしている。シリコンバレーを中心としたM&Aも検討中だ」と述べた。

 認知症の高齢者が、夏場に誤ってエアコンのスイッチを暖房にしてしまい熱中症になった事例を挙げ、エアコンのリモコンスイッチがオン、オフだけにすれば、トラブルがなくなるのではないかとの指摘については、代表取締役専務本間哲朗氏が回答。「温度を測りながら、適正な温度を維持できるエアコンを開発しており、試験販売を行っている」と回答した。

 LEDライトがまぶしすぎるので改良してほしいとの指摘については、「LEDは従来型の光源に比べてまぶしいといわれており、その改良に取り組んできた。人にやさしいものにして、普及させていく活動は重要である。目にやさしく、明るいものにしたい」とした。

株主からの質問には、各事業を担当する役員が回答した
株主からの質問には、各事業を担当する役員が回答した

人事の最大の課題は、グローバル経営での人事施策

 2次電池に関して、テスラモーターズへの大規模投資に対して不安を口にする株主もいた。これに対して、代表取締役専務の伊藤好生氏は、「国によっては政策として、エコカーの導入を促進している例もある。パナソニックの車載用電池は、テスラ以外にも、すべてのクルマメーカーから期待が高まっている。さまざまな案件に対して、最大限対応するための体制作りを進めている」と回答。

 さらに、PC向けリチウムイオン電池の品質問題については、「大変ご心配おかけをしているが、すでに対策は打ち終えている。設計および発火原因となりうるプロセスの見直しを図っており、いま生産しているものに関しては心配がない。電池の使い方、使われる環境についても、新たに学ぶところがある。完成品メーカーとともに情報交換をしながら、我々の知見を提供し、安全な電池の提供につなげたい」と回答した。津賀社長は「電池の品質、安全性については、他社に対してアドバンテージを取っていきたい」とした。

 パナソニックは、多くの社内承認が必要であり、若い人たちが育たない環境にあるという指摘に対しては、「我々も、自覚がないわけではない。クリエイティブで、イノベーティブに若い人が活躍できる場を作らなくてはならないと考えている」と津賀社長が回答した。

 専務取締役に就任した佐藤基嗣氏が、企画と人事を担当する異例の人事であることについては、「本社機能の改革を進めるなかで、機能が縦割りであること、日本主体でいいのか、ということを考えてきた。これまでは、国内の労務問題を中心に考えてきたが、今後人事の最大の課題は、グローバル経営での人事施策である。企画と人事を一緒にすることで、グローバルな人事施策が実行できる」とした。

 なお、第1号議案の取締役17名選任の件、第2号議案の監査2人選任の件、第3号議案の取締役の報酬改定の件は、いずれも可決され、11時59分に閉会した。

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