CurrentCが米国時間6月28日をもってサービスを終了することをウェブサイト上で発表した。CurrentCはモバイル決済システムで、2016年に一連のベータテストが実施された。サービス終了後は、すべてのアクティブアカウントが無効化される。さらに、CurrentCアプリは動作しなくなり、テストに参加したすべての店舗がCurrentCのトランザクションを受け付けなくなる。
「Apple Pay」や「Samsung Pay」などの決済システムと同様、CurrentCも提携先の小売店舗でスマートフォンを使って買い物をする機能をユーザーに提供していた。CurrentCの特徴は、「Merchant Customer Exchange」(MCX)として知られるコンソーシアムに支援されていたことだ。MCXはWalmartやBest Buy、CVS、Rite Aidなどの小売業者で構成されている。
Appleをはじめとするさまざまな企業が、急成長するモバイル決済市場で足場を固める手段として、独自の決済システムを発表している。これまでのところ米国においては、モバイル決済は小売取引の大半を占めるまでには至っていない。しかし、銀行や小売業者などがモバイル決済のサポートを拡大するにつれて、消費者が外出先でスマートフォンを使って買い物をすることも増えていくだろう、と関係各社は考えている。既にさまざまなモバイル決済システムが提供されているが、現在のところ、この市場をリードしているのはApple Payだ。
CurrentCがテストやサービスを再開する時期、あるいはその可能性について、MCXは言及を避けた。
MCXの広報担当者は8日、「われわれはオハイオ州コロンバスでのベータテストを6月末に終了する予定で、それに合わせてCurrentCをアプリストアから削除する。同アプリの今後のタイムラインや計画はまだ発表していないが、ベータテストで得たデータを分析し、知見を獲得することを楽しみにしている」と述べた。
CurrentCは2014年、システムが軌道に乗る前にハッキング被害に遭っている。2015年、CurrentCを支援するBest BuyとRite Aidは、自社のラインアップにApple Payも追加することを発表した。さらに同年、MCXの最高経営責任者(CEO)を務めるDekkers Davidson氏が「ほかの機会を追求するため」に同コンソーシアムを去った。
TechCrunchによると、MCXはCurrentCの全米でのロールアウトを延期し、さらに30人の従業員を解雇することを5月に発表したという。MCXはChaseなどの銀行とのパートナーシップ確立に焦点を移すと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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