国内の大型連休であるゴールデンウィークも終わり、日本では次の祝日が7月18日の「海の日」で当分先だと話題になりました。
また、5月18日に発表された4月の訪日外国人旅行客(以下、訪日客)数は200万人を超え、単月訪日客数としては過去最高を更新しました。ゴールデンウィークの旅行先で訪日客を見かけた方も多かったのはないでしょうか。
筆者の故郷は栃木県足利市で、日本一の大きさを誇る藤の花が見られる「あしかがフラワーパーク」が観光名所のひとつになっています。その足利へ帰省の際に利用した座席指定列車でのこと。乗り合わせた車両の実に8割が中国からの訪日客のようで、2015年の帰省時よりも確実に増えていると実感しました。それも、1-2割程度だった記憶から一気に増加したという印象です。
これは、訪日客の興味関心が都市圏から地方圏へ一気に向き始めているのではないか。ということで、今回は訪日客と47都道府県、特に地方との関係を考えてみようと思います。
まずは都道府県別の出入国空港と各国別の訪日客数順都道府県ランキングから訪日観光客の行動を推測してみましょう。右記表は、各都道府県別に訪日客の入国・出国で最も多かった空港の一覧です。
大半の都道府県では入国と出国は同じ空港です。東北・関東・甲信・北越地方は成田空港を使用し、関西・中国地方は関西国際空港、九州は福岡空港と地方の特色が出ています。
島根県と長崎県のみ入国と出国の空港が異なり、島根県への訪日客は、成田空港から島根に移動したのち、山口県から出国。長崎県への訪日客は福岡空港から長崎に行き、長崎の厳原港からフェリーで出国しています。厳原港ターミナルを発着するフェリーは、韓国・中国・台湾・香港と往来しているため、主にアジア地域の訪日客が利用していると想定されます。
この表から考えられる訪日客の動きとしては、1回の訪日旅行で、メインとなる地域を決めて動いているということです。例えば、成田に降り立った訪日客は、東京近郊をメインとした観光をしており、関西国際空港に降りた訪日客は、大阪・京都をメインの観光地として、入国時に利用した空港から出国しています。
おそらく、1回の訪日旅行で東京から関西など、複数の観光地を回るというルートは少数派であり、事前に観光する県・地方を限定していることが伺えます。
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