訪日旅行客はどこへ行く?--増加する地方観光と、今取るべき訪日対策 - (page 2)

アウンコンサルティング2016年06月01日 11時00分

 では、訪日客が訪れている地域とはどこなのでしょうか。各国別TOP5地域を一覧にしました。



図表2:各国別訪日客数順都道府県ランキング(観光庁 2015年年間「訪日外国人消費動向調査」より)

 基本は、「東京都」「千葉県」「大阪府」「京都府」の4つの都府県です。他に上位5位以内に入る地域としては、表内赤字の「北海道」「沖縄県」「神奈川県」「福岡県」が多く、そのほか「愛知県」「広島県」「長野県」「兵庫県」「山梨県」が見られます。

 黄色セルになっている千葉県は各国でも上位ですが、大半は東京ディズニーリゾートへの来園客と想定され、赤セルの県の1つである山梨県は、富士山目当ての訪日客が多いと想定されます。また、欧米圏では神奈川県への訪日客が多く、港町である横浜の文明開化や中華街など、いくつかの文化が入り交じる独特の雰囲気を持つ地域を選択しているようです。

 アウンコンサルティングが得意とする、検索エンジンを利用したウェブプロモーションノウハウを活用し、訪日客の事前情報収集を想定した各都道府県名の検索数も合わせて調査しました。

各都道府県名Google検索数(GoogleAdwordsのキーワードプランナーデータより)
各都道府県名Google検索数(GoogleAdwordsのキーワードプランナーデータより)

 黄色セルが訪日客が多い上位5位の地域です。各国別TOP5地域と比較すると「千葉県」「京都府」については検索数が少ない傾向があります。おそらく、県名や市名での検索ではなく、直接施設名称(千葉県であれば「東京ディズニーランド」や「東京ディズニーシー」、京都であれば「金閣寺」や「清水寺」など)のキーワードで検索されていると考えられます。

 注目したいのは、緑のセルの都道府県です。例えば台湾であれば、「沖縄」が各国において検索数の多い「北海道」と同程度のボリュームがあります。また、米国では「広島」が「東京」に近い検索数であり、かつ各国と比べると突出したボリュームです。直近で米国大統領の訪問もあり、注目も高まっている広島県は、すでに直近1年で米国の関心が高まっている地域だったとわかります。

 また、台湾における「青森」や「秋田」「茨城」、タイにおける「佐賀」などの検索ボリュームは今後の増加を予感させます。

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