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暗号化通信にバックドア設置を義務付ける法案、審議されずに廃案か--米議会

David Priest (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 吉武稔夫 (ガリレオ)2016年05月31日 11時32分
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 暗号化通信にバックドアを設けることを義務付ける取り組みが停滞を余儀なくされそうだと、Reutersが伝えている。この取り組みは、2016年に入ってから起こったAppleと米連邦捜査局(FBI)との対立によって注目を浴びた。

 米司法省(DOJ)は2月、Appleに対して、カリフォルニア州サンバーナーディーノ銃乱射事件の容疑者が所有していた「iPhone 5c」のロックを解除することを命じた。この命令は事実上、「iPhone」で行われている暗号化通信にバックドアを設けることを強制するもので、捜査当局がSyed Farook容疑者を起訴するのに役立つとされていた。

 しかし、Appleがこの命令に従うことを拒否したため、この問題は大きな議論を巻き起こすことになった。IT企業各社は、データを暗号化してメッセージを本来の受信者しか読めないようにすることがプライバシの保護に欠かせないと主張した。これに対して捜査当局は、モバイルデバイス上の情報にアクセスできなければ犯罪と戦うことができないと異を唱えた。そして、後者の意見を支持する2人の上院議員が、暗号化されたデバイスや通信にアクセスする手段を犯罪捜査当局に提供するようIT企業に義務付ける法案を作成した。

 だが、DOJとFBIは、第三者の協力を得て容疑者のiPhoneのデータにアクセスする手段を見つけ出したことから、Appleへの命令を取り下げた。Reutersは匿名の米議会関係筋の話として、これにより問題の法案はその勢いを失ったと伝えている。

 報道によると、この法案の成立を目指す取り組みにとって最大の問題は、DOJによるロビー活動にもかかわらず、ホワイトハウスの支持を得られなかったことだという。情報筋がReutersに語ったところによれば、この法案が年内に提出される可能性は低く、「万が一提出されても、前進する見込みはなさそうだ」という。

 法案を作成したDianne Feinstein氏(カリフォルニア州選出、民主党)とRichard Burr氏(ノースカロライナ州選出、共和党)にコメントを求めたが、今のところ回答は得られていない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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