スマートフォンを中心に、オムニチャネルやIoTなどの次世代テクノロジを通じて生み出されるデジタルマーケティング戦略。そこにはアイデアやクリエイティビティが不可欠だが、それだけでは「これまでになかった体験」を提供することはできない。ユーザーに新たなエクスペリエンスを届けるために、欠かせない普遍性や本質とは何か。
この連載では、デジタルを活用したコミュニケーション施策を発信する「コードアワード」に寄せられた作品から、デジタルマーケティングの「未来」を拓く“ヒント”をお届けする。
3月に開催された第19回アジア太平洋広告祭(ADFEST 2016)の、「ブランデッドコンテンツ&エンタテインメント」部門でゴールドに輝いた「アンドロイド合唱団」。Androidのブランドコンセプトである“Be Together, Not the Same”(みんなちがうから、世界は楽しい)を、グーグルやAndroidらしい“テクノロジ”で感じてもらえるようにと試みた作品だ。
使用するのは300台のモバイルデバイス。それぞれのスマートフォンやタブレットの中には、Diversity(多様性)を表現したユニークな300体のAndroidキャラクターが登場し、世界初のアンドロイド合唱団を結成。300体はそれぞれ違うパートを歌い、大合唱が奏でられる。スピーカーは使わず、モバイルデバイスそれぞれの音声・音量がコントロールされ、会場にいるユーザーに直接聞こえてくる仕組みになっている。
このイベントは表参道ヒルズで、2015年2月12日(木)~15日(日)までの4日間実施され、各日約3000人が体験した。イベントでは、合唱団の一員として自分のAndroidキャラクターを参加させたり、指揮者として合唱団を指揮したりすることも可能。その様子はNHK、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞のほか、ADWEEKやMashableをはじめとした情報サイトでも紹介され、世界中に拡散された。
また、同時期にYouTubeにアップロードされた、合唱団による「ベートーベンの第九の演奏」「4曲のメドレー」2種類のプロモーションビデオのコメント欄には、多言語による称賛のコメントが寄せられた。現在でも視聴されており、その回数は有に100万回を超えている。(5月上旬現在)
※アジア太平洋広告祭(ADFEST)とは、3月にタイのパタヤで開催されたアジアとオセアニア地域国々のみを対象とした広告祭。インタラクティブ、モバイル、プリントクラフト、デザイン、ダイレクト、プレス、アウトドア、ニューディレクター、フィルムクラフトの計9部門が対象となった。
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