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VRゲーム開発の先駆者が語る“四角い画面からの開放と苦労”--市場やコストにも言及

佐藤和也 (編集部)2016年05月25日 08時30分
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 グリーとVRコンソーシアムが共同で主催する「Japan VR Summit」が5月10日に開催。そのなかで「VRで生まれるヒットゲーム」と題したセッションが行われた。Mogura VRの共同代表・編集長の久保田瞬氏をモデレーターとして、コロプラ代表取締役社長の馬場功淳氏、バンダイナムコエンターテインメント Worldwide Planning & Development Unit 部長 鉄拳プロジェクトリーダー ゲームディレクター/チーフプロデューサーの原田勝弘氏、レゾネア代表兼米国エンハンス・ゲームズ CEOの水口哲也氏が登壇。VRゲームにおける取り組みや開発にまつわることなどが語られた。

「Japan VR Summit」のセッション「VRで生まれるヒットゲーム」
「Japan VR Summit」のセッション「VRで生まれるヒットゲーム」
  • コロプラ代表取締役社長 馬場功淳氏

 冒頭では3者がそれぞれにVRへの取り組みを説明。コロプラは2014年から5つのVRコンテンツをすでにリリースしているほか、投資会社「Colopl VR Fund」や360度映像に特化した「360Channel」の設立など、早い段階から積極的に取り組んでいる日本企業のひとつだ。

  • コロプラにおけるVRの取り組み

 馬場氏はVR領域に取り組むようになったきっかけを、個人でOculus DK1を購入したこと。そしてVRに対しての魅力を感じ、社内スタッフにコンテンツの制作を持ちかけたことから始まったと振り返った。現在は50名強のメンバーでVRゲーム開発を行っているという。

  • バンダイナムコエンターテインメント Worldwide Planning & Development Unit 部長 鉄拳プロジェクトリーダー ゲームディレクター/チーフプロデューサー 原田勝弘氏

 原田氏は対戦格闘ゲームシリーズ「鉄拳」のプロジェクトリーダーなどを務める傍ら、VR領域においては、女性とのコミュニケーションを楽しむことができるデモコンテンツとして話題となった、PlayStation VR(PSVR)向け「サマーレッスン」を手がけたことでも知られている。

  • 原田氏率いる鉄拳プロジェクトが、2011~2012年に行った研究内容

 取り組みとして、鉄拳プロジェクト内で2011年からヘッドマウント型VRの研究を開始。その最大の動機として「キャラクターをもっと好きになってもらう手段」を模索していたからと振り返る。当時は鉄拳をはじめ、「アイドルマスター」や「テイルズ オブ」シリーズなど、自社タイトルのキャラクターモデルをヘッドマウント型VRで見ることができるようにして、研究と試行錯誤を続けていたと説明する。

 サマーレッスンはPSVR向け研究タイトルとして2013年から本格的な開発に着手し、2014年9月に発表。「体験した際に実在感を感じること」、「体験中に緊張感を感じること」、「体験後にまた会いたいと思うこと」の3点をキーワードに、仮想世界とのキャラクターコミュニケーションを目指して開発したという。2014年11月には1000人規模で体験会を開催。単一コンテンツのVR体験会としては異例の規模で行ったことを説明しつつ、さらに体験者に対して自ら感想を聞いていくというフィードバックも行った。原田氏は「体験しているユーザーの反応をその場で見たことや、そのときのフィードバックは、今でも宝になっている」と語った。

 最近ではお台場で展開しているVR体験施設「VR ZONE」において、ロボットに乗り込んで戦闘を楽しむことができるコンテンツ「アーガイルシフト」の原案と監修を担当。コックピット内にはアンドロイドの美少女が登場することもあってか、施設内のコンテンツでも人気という。

  • 原田氏がHMD型VRで指摘する「集団的プレゼン力の弱さ」

 そんな原田氏は、ヘッドマウント型VRにおいて“集団的プレゼン力の弱さ”を課題として挙げた。デバイスの性質上、一度に大勢の人を驚かせたり魅力を伝えられないため、いかに魅力を伝えつつ価値があることとして認めてもらい、そして開発費の投資といったところまで結びつけるかを挑戦し続けているという。

  • レゾネア代表兼米国エンハンス・ゲームズ CEO 水口哲也氏

 水口氏は、かつて「セガラリーチャンピオンシップ」や「スペースチャンネル5」、「ルミネス」などを手がけたゲームクリエイター。エンハンス・ゲームズはVR専門の事業会社となるのだが、米国で立ち上げた理由については、VRに関する情報が日本よりも早いこと、契約がスピーディで物事を早く進められることなどをメリットとして挙げた。

  • 「Rez Infinite」で開発したシナスタジアスーツ

 現在はPSVR向けのローンチタイトルとして「Rez Infinite」を開発中。これはかつて自身が手がけた、音楽シューティングゲーム「Rez」をVRに拡張したもの。 2001年に発売されたタイトルだが、水口氏は開発当時にVRのイメージをしていたこともあり、VR対応版の開発に着手したという。

 もともとRezでは音楽にスポットをあて、効果音が“音楽化”して気持ち良くなっていくことを魅力とうたっていたタイトルでもあったことから、Rez Infiniteでは“シナスタジアスーツ”と呼ばれる、バイブレーション機能を搭載した全身で音を感じるスーツを制作。タイトル発表の場となった「PlayStation Experience 2015」においては、シナスタジアスーツを着用してデモプレイを行い、話題を呼んだという。

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