アップルの研究開発費に見る事業転換、中国ビジネスの行方--Appleニュース一気読み

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 5月10日~5月16日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。

アップル、「過去最大の方向転換」を計画中?-増加の一途をたどる研究開発費の使い道は
アップル、「過去最大の方向転換」を計画中?--増加の一途をたどる研究開発費の使い道は

 「Appleは2016年に100億ドル以上の研究開発費をつぎ込む」──そう指摘するのは、AppleウォッチャーのNeil Cybart氏。この金額は2015年から30%に近い増加で、4年間で3倍に膨らんでいる点から「顕著な伸び」であると述べている。

 iPhoneを発売した2007年の研究開発費は年間8億ドル、iPadを発売した2010年には18億ドル弱、2012年は30億ドル強という水準であったことから、iPhone以降のAppleは、より多くのことを試し、「何か」をしようと取り組んできたことがわかる。そしてこのペースは、売上の鈍化により、売上高の伸びを大きく上回る。

 いくつか考えられる理由として、Apple WatchやiPad Proなど、製品ラインアップの拡大や、iPhone、MacBookシリーズなど既存のデバイスの大きなプラットホーム転換へ向けた準備とも受け取れる。

 ソフトウェアについても同様だ。例えばiOSの場合、iPhoneやiPadのバリエーションが増えたり、Apple WatchやApple TVなどの派生プラットホームが増えたりすれば、その分研究開発費は伸びることになる。

 あるいは、全く関係ない何かを作り出そうとしている可能性。思い当たるのは、Cybart氏によると、ウェアラブルや電気自動車といった分野ではないかと予測する。

 Appleについては、「Project Titan」と言われる電気自動車のプロジェクトが進んでいるとの噂が流れ続けている。一方で、既存の自動車メーカーとの関係に折り合いがつかない点も報じられている。

 もう少し控えめなアイディアとしては、引き続きiPhoneを売りつつ、アプリや音楽などのサービスを拡充しながら、デバイス販売が占める割合を薄めていくこと。これは方針転換云々にかかわらず、継続して行ったほうがいいだろう。

 いずれにしても、より大きなユーザーベースが必要となり、彼らに対して何をするか、という点を考える必要がある。中国やインド市場でiPhoneを普及させることは、最重要課題といえるだろう。

 Appleは、Tim Cook CEO自らが中国を訪問したり、地元のタクシー配車アプリ最大手への投資をしたりするなど、活発に活動している。一方で、中国市場の落ち込みが業績に大きく影響を与えた決算が明るみになった。また、iTunes MovieやiBooksといったコンテンツ配信サービスは、中国当局により停止に追い込まれるなど、必ずしも目覚しい成果を上げ続けているわけではない。

アップル、「過去最大の方向転換」を計画中?--増加の一途をたどる研究開発費の使い道は(05/13)
アップル、中国配車サービス企業Didi Chuxingに10億ドルを出資(5/16)

Apple MusicとiTunes Music

 筆者は最近、Apple Musicについて考える機会が多かった。新しい音楽定額サービスに移行してから一切使わなくなったのが、iTunesでの音楽販売サービスだ。Apple Musicユーザーからすれば、無用のものになってしまうのだろうか。

 Digital Music Newsは、2年後にiTunes Storeでの楽曲販売が廃止されると伝えたが、Apple広報はこれを否定している。実際、すぐに廃止するのは得策とは言えないだろう。なにより、予測されるiTunesの音楽販売から得られる売上高は、年間35億ドルで安定しているからだ。

 ただBloombergが報じ始めたWWDC 2016でのApple Musicの刷新の内容としては、デザインの刷新などに加えて、iTunes Storeのダウンロードコンテンツとのより密な連携が含まれていた。

 早ければ6月には、今後のAppleの音楽サービスの方向性と、その中でのiTunes Musicの位置付けがわかるのではないだろうか。

アップル、「iTunes」楽曲ダウンロード販売を終了するとの報道を否定(5/13)

Apple Watchの未来

 Apple Watchが1周年を迎え、引き続きレビューが掲載されている。今すぐに必須なアイテムか?という問いに対して否定的だが、確実に生活を変える部分を持っている「おもちゃ」といった評価だ。

 加えて、Apple Watchが今後どのような展開を見せるのかについて、ヒントとなる特許文書も公開されている。Apple Watchには、バンド装着部に端子が隠されている。

 これまでメンテナンス用されてきた端子だったが、最近のwatchOSのアップデートで、サードパーティーがこの端子を使えないようにしてしまった。このことからも、Appleがこの端子を本格的に活用し始める日が近いのではないかと推測できる。

 Appleが提出した特許文書によると、Apple Watchがリンクバンドのコマを電気的に接続して、バンドに機能をもたせながら拡張されていく様子が描かれていた。例えば追加のバッテリや血圧計、スピーカ、アクチュエーターなどが追加できるようだ。

「Apple Watch」の機能はバンドで拡張--アップルのモジュラー式バンド特許が公開(5/11)
「Apple Watch」をあらためて評価する--発売後1年間使って感じたこと(5/13)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加