「Amazon Dash Button」は2015年、特定ブランドの製品を繰り返し注文し宅配してもらうことを非常に簡単にする手段として登場した。洗濯洗剤をAmazonに届けてもらう場合、洗濯洗剤ブランド「Tide」用のボタンを洗濯機に取り付け、洗剤が残り少なくなるごとに押せば、繰り返し注文ができる。
Amazonは現在、Dash Buttonで可能なことを増やそうとしている。特に、新しいDash Buttonである「AWS IoT Button」を使うことでその実現を目指している。「AWS」は「Amazon Web Services」を、IoTは「Internet of Things」(モノのインターネット)を意味しており、クラウド接続されたデバイスとサービスという成長過程にある市場だ。これらを組み合わせると、目的をあらたにしたDash Buttonを唯一のインターフェースとする、Amazonのクラウドを利用したIoTが誕生する。
Wi-Fi接続されたAWS IoT Buttonは、完全にプログラム可能であり、1回もしくは複数回押すことであらゆることのトリガーとして機能できる。Amazonは、同ボタンについて、スマートホームの照明用制御ポイントとして利用可能だとアピールしている。また、AirBNB利用者がチェックインやチェックアウトする、タクシーを素早く呼ぶ、または、薬の利用を記録するなどの手段としても利用できるという。
ここで注力しているのは、開発者がAmazonのプラットフォームで作業するのをできるだけ簡単にすることのようで、これはAmazonが「Alexa」用ソフトウェアを解放したのと同じだ。Alexaは、クラウド接続された仮想の音声アシスタントだ。このアプローチにより、Amazon EchoやAlexa対応製品が多く生まれている。同様の手法が、AmazonのDash Buttonでも成果をもたらすかは時間とともに明らかとなるだろう。
プログラム可能なAWS IoT Buttonは、AWSアカウントを持つ開発者向けに通常のDash Buttonより5ドル高い20ドルで販売されている。Amazonによると、AWS IoT Buttonは「限定リリース」だという。現在、同ボタンは売り切れとなっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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