クリーニングから個人向け秘書まで--韓国で注目される「生活助っ人アプリ」 - (page 2)

買い物・家事代行・旅行の手配まで個人利用の「秘書サービス」

 クリーニングアプリと並んで、注目されているのが「ムーン秘書」というサイトだ。秘書サービスとは言わば、個人の依頼(おつかい)を代行する「よろずや屋サービス」のようなもの。初期の会員登録は無料となっており、有料会員になれば、より幅広いサービスを受けられる。

 サービスの内容は、レストランの予約、航空券、鉄道、観劇、コンサートなどのチケット予約、ホテルの予約、生花の配達、バイク便サービス、買い物や家事の代行、翻訳・通訳など多岐にわたる。サービスの依頼や交渉は、主にメールや携帯メール、韓国で主流となっているコミュニケーションアプリの「カカオトーク」などを通じて行われる。

 予約や買い物、家事代行のような料金が発生する依頼のほか、ちょっとした検索も代行できる。たとえば、フィリピンのセブ島への旅行を計画している依頼者が、「ムーン秘書」宛てに「5月5日仁川空港出発、5月8日帰国の往復航空券で一番安い料金で空席がある便を調べてほしい」というメッセージを送ると、担当者につながり、迅速に検索結果を返信してくれる。

 会員の種類は「一般会員(無料)」と「ボス会員(有料)」の2種類があり、この会員の区別化によって、サービスの利用範囲や利用に応じた手数料が異なるという仕組みだ。

 一般会員は5%、ボス会員は1.5%の手数料がかかり、一般会員が5万ウォン(約4600円)の品物を代理購入してもらった場合、5%に当たる2500ウォン(約230円)の手数料を支払う。ボス会員の手数料が一般より高く設定されているのは、利用サービスの範囲が広いことや、ポイントによる特典をつけるなど一般会員と差別化されているためである。

 このようなアプリやサイトが流行している背景には、多忙で時間に追われながらも、合理的かつ効率よく用件を消化したい、利用できるサービスはとことん利用したいという、韓国の国民性が表れているように感じる。

 確かに、ユニークで多様なサービスがアプリを通じて利用できるのは新鮮で面白く、ありがたくもある。その反面、やはり対面でサービスを受けることの良さが廃れてしまうのは、個人的にはやや寂しい気もする。また、アプリのサービスが受けられる地域が都市部に集中しているため、今後いかに地方や高齢者にも広く浸透させていくかが課題といえるだろう。

(編集協力:岡徳之)

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