4月14日以来、熊本県や大分県で大きな地震が続き、連日痛ましい報道が続いている。被災された方には心からお見舞い申し上げるとともに、1日も早い復旧をお祈りする。
ところで、地震に関連してさまざまなデマが出回っていることをご存じだろうか。10代も含めた多くの若者たちが、SNSを通じて安易にデマを広めているようだ。SNSを巡るデマの現状と危険性について取り上げていく。
Twitterで「熊本」と検索すると、被災者受け入れを発表した「(熊本)刑務所」などに続いて、「強姦」が候補として表示される。多くのユーザーがそのような単語で検索していることになる。「熊本 強姦」が多く検索されているのには理由がある。「被災した熊本県で多くの強姦事件が起きている」というデマが飛び交い、ネットだけでなく多くの場で騒ぎが起きているのだ。
たとえば、あるユーザーは「熊本で強姦とかしてる人たちへ。俺らは木曜日熊本に行きます。俺は夜中そんな被害が無いように見回りします。見つけた瞬間、被災地とか関係無しにぶっ叩きます」などと自警団をぶち上げるとしている。
これに対して、「そもそも強姦事件自体起きたという確実なソースはない」、「無関係の人を巻き込んだ暴力事件に発展する可能性が高い」と警告する人がいる一方で、「熊本の人を守ってあげて」「そういうやつらはつぶせ」という賛同のツイートも多かった。そもそも、実際に事件が起きているという確証もない上、現地に行っても無関係な人を巻き込む可能性が高く、問題の多い投稿といえるだろう。
強盗犯の「手配書」写真が拡散されているのを見かけた人もいるのではないだろうか。これも、元のツイートをしたユーザー自身が「大分県玖珠警察署に確認したところガセの情報でした」と謝罪している。しかし、この手配書写真は元のツイート主の手を離れ、いまだに「熊本で強盗を働いている輩の手配書」として新たにリツイートされ続けている。
「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」という時代錯誤感のある人種差別ツイートも出回っている。「中国人が強盗をしている(しに行くに違いない)」という偏見に満ちたツイートも見られる。そのほか、「イオンモールが火事」、写真付きで「ライオンが逃げた」など、愉快犯かと疑われるデマツイートもあった。
元のツイート主の多くは20代くらいまでの若者が多く、善意からの思い込みでツイートしていることが多いようだ。その周辺で安易にツイートに賛同し、リツイートしたり支援したりしているのも、やはり若者が目立つ。メディアが「デマ」と報道していても、Twitterで検索すると、つい数時間前に投稿された「えっ、いつも行く熊本のイオンモールが火事?」というツイートなどが見つかる状態だ。
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