Microsoftは数年前、「Windows」を搭載する低価格端末の製造を促すための手段として、それまでよりも格段に低い価格で同OSをメーカーに提供することを決断した。それに伴い、当初は「Windows 8」、続いて「Windows 10」を搭載する低価格でそこそこのスペックを備えた新世代のノートPCが人気を集めるようになった。実際、かなり人気が高いため、Intelはそれらに名前を付け、同社の次期チッププラットフォームの1つをそれらに搭載するのに最適だと宣伝している。
同社は中国で先週開催したIntel Developer Forum(IDF)で、「Cloudbook」(Acerが同じ名前で提供するノートPCを含むが、それに限定されない)を宣伝した。「Chromebook」に似た名前だが、「Chrome」ではなくWindowsを搭載する。Chromebookと同様に低価格(169~269ドル)で、基本的なコンポーネント(標準的には2GバイトのRAMと32Gバイトの内蔵ストレージ)を装備する。また、Chromebookはさまざまなメーカーのチップを搭載するものが製造されているのに対し、CloudbookはIntelの低消費電力プロセッサである「Pentium」や「Celeron」を搭載するケースが多い。
Intelによると、売れ行きもChromebookと同程度に好調で、2014年以降、500万台を超えるこのような端末が出荷されているという。PC業界全体が引き続き低迷していることを考えれば、その数字はまれに見る希望の兆しであり、Intelは急速に成長するその市場を追求しようとしている。
同社は次世代低消費電力プロセッサ「Apollo Lake」を2016年後半にリリースするという。IntelはIDFで、Cloudbookを含む低価格システムを製造するOEM企業に向けてApollo Lakeチップを宣伝した。Apollo Lake CPUを搭載すれば、消費電力を抑えつつ性能を向上させることができ、バッテリ持続時間の延長につながると期待される。
かつて推進していた「Ultrabook」(超薄型ノートPCプラットフォームだが、それほど人気を博すことはなかった)と同様に、IntelはCloudbookのリファレンスデザインをメーカーに提供している。このリファレンスデザインは、解像度1920×1080、4GバイトのRAMを装備し、Apollo Lakeプロセッサ(スペックは不明)を搭載する11.6インチのノートPCをベースとしている。そのスペックから考えて、Intelのリファレンスデザインをベースとして構築したCloudbookは、低価格ノートPCの中でもハイエンド側の価格帯に位置しそうだが、同社によると、このリファレンスデザインは効率が高いので製造コストを引き下げることができるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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