この連載では、デジタルを活用したコミュニケーション施策を発信する「コードアワード」に寄せられた作品から、デジタルマーケティングの「未来」を拓く“ヒント”をお届けする。
現在、不動産検索サービスのほとんどは、スマートフォンで便利かつ効率的に物件を探せる時代となった。 しかし、片手で簡単に1人でも探せるそのシステムは、家族や恋人、仲間や友人達と部屋を一緒に探す体験が持つ、楽しさや時間の共有といった豊かさが失われつつあり、時折味気なさを感じることもある。
最新テクノロジを用いて開発された「すごい天秤」は、希望の条件と予算の分銅をお皿にのせるだけで、直感的にウェブ上で物件検索をしてくれるというIoTデバイス。既存の不動産検索サイトやアプリでは体験することができない、全く新しい住まい探しの検索体験を提供した。
操作方法は、まず住みたいエリアの駅名を入力する。次に不動産・住宅情報サイト「HOME’S」のサイトブランドにちなんだ、シャーロックホームズの世界を踏襲した実物の天秤の出番となる。真鍮(しんちゅう)製のスチームパンク風デザインの天秤の片方に、「希望の家賃の予算額に模した分銅(例:9万円)」を、もう片方に「『1LDK』『ルームシェア』『駅近』など希望条件に模した分銅」を置く。
すると「すごい天秤」が、分銅内に埋め込まれたRFIDタグ(非接触型小型ICタグ)を検知して物件の検索を開始。希望条件を満たした物件があれば天秤が釣り合い、なければ天秤が傾く。また対象物件が20件以上ある時も傾き、その場合は条件を追加して、より希望に近い物件を絞り込んでいく。検出された物件は、古地図風にデザインされた「Googleマップ」に表示され、ユーザーはヴィンテージ風の用紙に物件情報を印刷して持ち帰ることができる。
この、直感的な操作で楽しみながら自分の希望に合った住まいを探すという体験は、国内外の展示会やイベントで約2000人以上が体験し、子どもから大人まで心をときめかせた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」