UPDATE マサチューセッツ工科大学(MIT)コンピュータ科学および人工知能研究所(CSAIL)の研究者が、3Dプリンタを使って固体と液体を同時に出力できる技術を開発し、ロボットの迅速な組み立てに向けて大きな一歩を踏み出した。
実際の性能はどれほどのものなのかを示すために、研究者は小さな水圧式の脚でよちよち歩き回るかわいらしい小型ロボットを開発した。
同プロジェクトの統括者であり、論文の執筆者の1人であるCSAILのディレクターDaniela Rus氏は 声明で、「われわれが『印刷可能な水圧システム』と名付けたアプローチは、機能的な機械を迅速に組み立てられるようにする一歩になる」と述べた。「必要なのはバッテリとモーターを取り付ける作業だけであり、プリンタで出力したらすぐに歩き出せるロボットになる」
プリンタはまず、固体材料を用いて1層1層積み上げ、紫外線を照射して硬化させ、液体を加える。この液体が水圧式のベローズを駆動することで、脚部が作動する。この技術によって、3D印刷に液体を用いる際の一部の課題を克服している。
論文の共同執筆者であるRobert MacCurdy氏は、「インクジェット印刷技術により、8種類の異なるプリントヘッドを使って、異なる素材同士を隣接させて同時に堆積させることができる」と述べた。「素材の出力位置を非常に細かく微調整できるため、あらかじめ液体が充てんされた複雑な流路を出力できる」と述べた。
この概念を実証することを目的に設計された6インチ(およそ15.24cm)大のこの6脚ロボットは、完成までに22時間かかるが、その複雑さを考えれば長い時間ではないだろう。
このロボットは、本体に直接プリントされた12個の水圧式のベローズを使って動作する。これらのベローズは直流のモーター1個で駆動される。モーターはクランクシャフトを回転させてベローズ内の水圧を制御し、それが機械的な力に変換されて脚部が作動するようになっている。小型ロボットがちょこちょこと前進できるのはそのためだ。
同チームはまた、MITの「Baxter」ロボット用にシリコンゴム製ハンドを開発している。このロボットは、液体を使って指を動かし、物をつかんだり離したりする。
「このような印刷可能なロボットは、素早く安価に組み立てることができ、従来のロボットと比べて電子部品も少なくて済む」(MacCurdy氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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