Microsoftはこの数年間、「Bing」APIをライセンス供与することによって、開発者らが検索、地図、言語認識などの機能を組み込んだフル装備のアプリを構築できるようにしていた。
しかし今後は、Bingのインテリジェンスによってアプリをより簡単に拡張するという概念を推進しようとしている。同社はBingのインテリジェンスの一部をパッケージ化し、それをボットおよびボット開発フレームワークの形で開発者らに提供する。
Microsoft関係者らは、新しいボットフレームワークと新しく提供するボットをサンフランシスコで今週開催の同社開発者会議「Build 2016」で披露した。
Microsoftは最近、独自の実験用ソーシャルチャットボットを公開していたが(「Tay.ai」というティーンエージャーボット。ただし失態をさらして停止中)、ここでは、より生産性を中心としたボットを推進している。
Microsoftのこの新しい戦略の中心にあるのは、「Conversation as a Platform(プラットフォームとしての会話)」だと、Microsoftの最高経営責任者(CEO)を務めるSatya Nadella氏はBuildの参加者らに対して語った。「それは、人間の言葉をすべてのコンピュータインターフェースに適用する能力」であり、内在する機械学習と人工知能の技術を活用するものだという。
「人間の言葉は、新しいユーザーインターフェースレイヤである」と同氏は述べた。
Microsoftは手始めに、同社独自の複数の「Skype」ボットを「iOS」「Android」「Windows」用Skypeアプリユーザー向けに米国時間3月30日からプレビュー版として提供開始した。また、サードパーティー開発者らが独自のSkypeボットを構築できるよう、新しい「Skype Bot」ソフトウェア開発キットもリリースした。
MicrosoftはBuildにおいて、「Cortana Analytics Suite」の名称を「Cortana Intelligence Suite」に変更することも発表した。改称とともにその位置づけも、開発者がアナリティクスデータをアプリだけでなく独自に構築したボットやエージェントでも利用できるようにするための手段として改められている。
またMicrosoftは、Microsoft Researchが開発した「Project Oxford」の視覚や音声などのインターフェースの一部をプレビュー版の形で、Cortana Intelligence Suiteの新しいプレビュー版に追加している。これらのOxford APIなどを含む、新しい「Cognitive Services」の価格体系についてはこちらを参照してほしい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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