独立系のドローン配送会社Flirteyは米国時間3月25日、米連邦航空局(FAA)認可の完全自律飛行型ドローンを使った住宅地での荷物配送を米国で初めて成功させた。この社名はおそらく、銃を構えながら反対の声を上げる人たちをからかう(flirt)意図で付けたものと思われる。
Flirteyは、ネバダ州ホーソーンにある住宅地に似た環境(ただし住人はいない)で、ミネラルウォーター、非常食、応急処置キットが詰められた箱をドローンで配達することに成功した。
このテストは、FAAが指定した6カ所の無人飛行システム試験場の1つで実施され、Flirteyのテストは、災害が起こりやすい地域での救助活動や緊急対応について調べることが目的だった。
配送の成功からは、Flirteyがドローン技術と自律飛行システムでいくつかのすばらしい進展を成し遂げたことが分かる。6枚の回転翼を搭載したこのドローンは、あらかじめ設定された配送経路にしたがって無人で飛行し、正しい配送場所に荷物を下ろした。配送中は、Flirteyの操縦士1人と数名の観測者が、自律飛行システムのバックアップとして待機していたが、その必要はまったくなかった。
Flirteyが水、食料品、そして応急処置キットを荷物に選んだのは、人道支援分野、オンライン小売業界、そして食品配達業界の配送システムを作り変えるという同社のビジョンを示すものだ。より緊急性の低い品物を届けることで大きな売り上げを得ようとしているに違いない同社にとって、これはすばらしいPR効果をもたらしてくれる。Levi'sのジーンズが欲しい人がいたら、すぐに届けてくれるということだ。
Flirteyの最高経営責任者(CEO)Matt Sweeny氏は、「都市環境でドローン配送を初めて実施できたことは大きな成果であり、ドローンが日常的に荷物を玄関の前まで届けてくれる日にわれわれは一歩近づいた。Flirteyが提供するドローン配送は、人々の命を救い、ライフスタイルを変えるものになるだろう」と述べている。
Flirteyの成功は、ネバダ大学リノ校にあるNevada Advanced Autonomous Systems Innovation Center(NAASIC:ネバダ高度自律システムイノベーションセンター)と連携して成し遂げられた。Flirteyは、同センターのエンジニアとともにドローン配送技術の完成と発展に向けて取り組んでいる。また、両者は米航空宇宙局(NASA)とも連携して、低高度航空交通管理システムの開発を行っている。さらに、FlirteyはNevada Institute for Autonomous Systems(NIAS:ネバダ自律システム研究所)とも提携関係にある。
NIASでUAのオペレーションディレクターを務めるChristopher Walach氏は、次のように述べている。「これは間違いなく、われわれが実施した無人飛行システム実験で最も成功した例の1つであり、Flirteyによる新しい無人飛行システム技術のテストと開発、飛行計画、イノベーション、ミッションの遂行が先進的なレベルにあることを示している。Flirteyのチームは、全米航空システム(NAS)における安全な飛行オペレーションのすべての点で優れていた」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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