筆者は長年にわたって、ありとあらゆる電子機器をテストしてきたので、事故や災難もそれなりに経験している。しかし、ドローンが木や隣人の家に衝突しそうになったときほど、ひどく動揺するようなパニック状態に陥ったことはない。
2016年、消費者向けドローンにおいて、障害物回避が「注目」機能になっている理由の1つは、このためである。そして、この障害物回避機能こそ、DJIの新しい「Phantom 4」が旧モデルや多くのライバルより優れている点となっている。この頑丈なクアッドコプターは、前面に2つの光学センサを備え、これらのセンサが目の役割を果たして、機体が0.7m~15m以内の障害物を回避できるようにナビゲートする。あるいは、ユーザーが操縦して障害物を回避するまで、単純に空中で停止し、ホバリングする。
「Return-to-Home」安全機能を有効にした場合、Phantom 4はセンサを使って障害物を回避しながら、操縦者のもとに帰還することもできる。つまり、操縦者とPhantom 4の間に建物や木があっても、心配する必要はないはずだ。
ただし、あまり興奮しない方がいい。このシステムを手に入れるには、大金が必要だ。Phantom 4は米国では1399ドルで販売予定である。米国ではDJI.comとApple.comで先行予約の受付が始まっており、DJIによると、先行予約分のPhantom 4は米国時間3月15日より顧客のもとに届く予定だという。
先述したように、ユーザーが操縦中、Phantom 4は光学センサを使って衝突を回避することができる。しかし、Phantom 4は光学センサを利用して自律飛行する能力も備える。DJIの「Go」アプリを通して利用できる新しい「ActiveTrack」モードは、機体の新しいセンサを使って、被写体を追尾する。「Follow Me」(追尾)機能はDJIや他社のドローンにとって新しいものではないが、通常、GPSを利用して被写体を追跡するので、被写体がリモコンやビーコンを持っている必要がある。精度もあまり高くなく、飛行経路の変更に時間がかかることもある。
Phantom 4でActiveTrackを使うと、スクリーン上で被写体をタップするだけで、機体が追尾を開始し、タップされた被写体の人間や物体にカメラを向け続ける。DJIによると、被写体の形や向きが変わったり、ほかの人間や物体がフレームに入り込んだりしても、カメラは選択された被写体を追尾し続けるはずだという。また、ドローンが撮影したものを単に受け取るだけでなく、ユーザーはこれまで通りカメラの動きを完全に制御して、自分の望む写真や動画を撮影することもできる。
「TapFly」と呼ばれるモードは、ほぼその名前が示唆するとおりの機能を提供する。具体的には、スクリーン上の一点をダブルタップすると、Phantom 4が障害物を回避しながらそこへ飛んでいく。別の一点をタップすると、Phantom 4は方向を変えて、そこに向かって飛行する。簡単に言えば、TapFlyは飛行中に飛行経路を設定できるということだ。少し時間を取って次の目的地を考えたいときは、新たにコントローラに搭載された「Pause」ボタンを押すといい。すると、Phantom 4は空中で停止してホバリングする。
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