フジテレビのゲーム会社設立に「機は熟した」--サウンドPにはX JAPANのToshlさん就任

 フジ・メディア・ホールディングスならびにフジテレビジョン(フジテレビ)は3月25日、4月1日付けで設立するゲーム会社「株式会社フジゲームス」をはじめとしたゲーム事業に関する発表会を開催。事業説明を行ったほか、CS放送によるeスポーツ番組の展開、フジゲームスのサウンドプロデューサーにX JAPANのToshlさんが就任するなどの発表をした。

事業説明だけではなく、さまざなゲストも登場し華やいだ発表会となった
事業説明だけではなく、さまざなゲストも登場し華やいだ発表会となった

ゲーム会社設立は「機は熟した」から

 フジゲームスは、フジテレビのゲーム&インキュベーション事業部や、フジ・スタートアップ・ベンチャーズとgumiの合弁会社「Fuji&gumiGames(FgG)」が手がけていたゲーム事業を統括するために設立した新会社。FgGはフジゲームスの子会社になる。

  • フジテレビ常務取締役の大田亮氏

 フジテレビ常務取締役の大田亮氏は設立の背景として、もともと6年ほど前からゲーム&インキュベーション事業部によるPCやフィーチャーフォン向けゲームを展開し、当時億単位の売上があったことを明かした。さらにスマートフォンゲームの流れを見て、FgGという形で参入。「ファントム オブ キル」などのヒット作も出るようになり「ゲームはエンターテインメントでありながら、近いようで遠い領域にあった。でも今なら知見もたまって行けるチャンス。機は熟したと判断した」と説明した。

  • フジテレビ コンテンツ事業局長の山口真氏

 コンテンツ事業局長の山口真氏は、ゲーム会社を設立して挑戦する理由として「人材」、「情勢分析」を挙げた。さまざまなセクションからゲームに対してやる気があり、テレビ業界で経験を積んだ人材が集まったことや、クリエーターとの人脈も構築できた。ファントム オブ キルなどスマホゲームのヒット作も生み出し、いい勝負ができる状態にあるという。

 フジゲームスの主戦場はスマホゲームだが、このジャンルの製作費は1タイトルで数億円規模になるケースも珍しくない。こうした制作費の上昇から、業界の淘汰(とうた)が進んでいる状態。この状況を「予選リーグが終わって決勝トーナメントに入るところ」と表現しつつ、「フジゲームスのスマホゲームは、その決勝トーナメントに進めるポテンシャルを持っていると確信している」と続けた。

  • フジテレビ ゲーム&インキュベーション事業部長の種田慶郎氏

 ゲーム&インキュベーション事業部長で、フジゲームスの代表取締役社長に就任する種田慶郎氏は、いわゆる垂直統合でゲーム開発を進めるのではなく、外部の優秀な企業やクリエーターと協力しながら、ゲームを通して新しいストーリーやキャラクターの創出を中心に考えているという。その上で、グループの強みを生かしてアニメや映画、出版、音楽などマルチ展開を行って育てていくハブとなる会社になることを目指していると語る。

 フジテレビが運営しているゲームはフジゲームスに移管するため、ゲームタイトルを保有している状態でスタートする。いわゆる“フジゲームスらしい”タイトルについては、開発期間もかかることから「1、2年後まで待ってほしい」としながらも、2019年度には売上100円、経常利益25億円を目指すと意気込みを示した。

X JAPANのToshlさんがサウンドプロデューサーに就任

  • X JAPANのToshlさん

 そんなマルチ展開のなかでも音楽面にスポットをあてた発表が、サウンドプロデューサーにX JAPANのToshlさんを起用したこと。ToshIさんにサウンドプロデューサーを打診した理由について種田氏は、X JAPANは、世界に自らの音楽を発信したバンド。フジゲームスもそのスタンスを見習っていきたいと説明した。

 発表会に登場したToshIさんは「X JAPANとして活動する中で、海外でもゲームの盛り上がりとファンの熱量の高さを目の当たりにした。また、日本のゲームに高い期待を寄せているファン多かった。「ゲームは内容も大事だが、同じぐらい音楽も大事だと感じている」とし、新しいジャンルに挑戦できることを楽しみにしているという。現在はサウンドロゴの開発に取り組んでいることも明かした。

2時間生放送のeスポーツ専門番組「いいすぽ!」

 新たな施策として発表したのが、CS放送のフジテレビONEにてeスポーツ専門番組「いいすぽ!」の開始。4月23日18時から2時間の生放送を実施する。初回放送ではカプコンの「ストリートファイターV」を取り上げるほか、動画配信サービス「Twitch」にて世界同時配信を行うという。MCにはバカリズムさんを起用。発表会では自身が休日には1日10時間遊ぶほどのゲーム好きであることに触れつつ、「ゲームのうまい人はもっと評価されるべき。これをきっかけにプロスポーツ選手と同じように評価されるようになれば」と意気込みをみせた。

 ゲーム事業の展開においては、2月に「Ingress」を運営するNianticに出資したことについて、国際開発局長である前川万美子氏は、アジアにおけるIngressのメディア展開やブランド構築を期待されているとし、フジテレビとしては世界のマーケットに向けた番組やイベントを通じて協業を行い、テレビの未来と新たな可能性を切り開いていくようなシナジー効果を生み出して行ければと語った。

  • eスポーツ専門番組「いいすぽ!」

  • MCを務めるバカリズムさん

  • Nianticに出資したことについても触れられた

 発表会ではこのほか、「ファントム オブ キル」のイメージキャラクターを務めるでんぱ組.incや、「誰ガ為のアルケミスト」の公式サポーターを務める武田玲奈さん、番組コラボタイトル「ダービーロード」から井崎脩五郎さんと足立梨花さんがゲストとして登場。FgGの名誉会長を務める大久保佳代子さんもVTRで出演してそれぞれにアピールを行うなど、にぎやかなものとなっていた。

  • でんぱ組.incのみなさん

  • 武田玲奈さん

  • 武田さん登場時には、FgGタイトルのコスプレイヤーが登場。ちなみに左の青い服を着ている女性はフジテレビ社員という

  • VTRで登場した大久保佳代子さん

  • 競馬番組でおなじみの井崎脩五郎さん(右)と足立梨花さん(左)

  • 「ダービーロード」で、井崎さんと足立さんが育てた馬を対決させ、伊崎さんの馬が圧勝するVTRも上映

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