Starticketのユーザー数は明らかにされていないが、Facebookページなどでは一定の支持を集めていることが伺える。サービスの成長に火を付けたのは、「コンビニエンスストア」の存在だった。
サービスを開始した当初は、観光業も扱うパパママストア(ミャンマーで浸透する主に家族経営の小さな商店)に導入し、代理店的に活用したが、サービスの認知度は上がらずユーザーの獲得にはつながらなかったという。しかし、地元の大手コンビニチェーンに導入されたことでサービスが広く知られるようになり、そのうちユーザーがコンビニを介さずとも利用してくれるようになった。取引先のバス会社が増えたことも、これを後押しした。
人びとにとって馴染みのある場所にサービスが導入されたことで、オンライン予約に対する抵抗感が弱まったのかもしれない。それだけミャンマーにおいては、コンビニという場所は影響力をもったメディアであることが伺える。
サービスの主な収益源は、提携するバス会社から定額で回収する仲介手数料。今後は、サイト内の広告欄をバス会社に販売し、ユーザー向けのプロモーションを実施する広告モデルなども視野に入れている。
Thet Mon Ayeさんは自社サービスだけでなく、ミャンマー全体のIT化を促進したいと考えている。そのためには、「自分たちのようなITビジネスに携わる人たちが密に情報交換し、協力し合うことが重要」と、DealStreetAsia誌の取材に対して語った。
ミャンマーのIT産業の勃興は、政府だけでなく、Thet Mon Ayeさんのような志を持った現地の若い起業家たちにもかかっている。
(編集協力:岡徳之)
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