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スマートフォンネイティブが見ている世界

SNSで互いの距離感がつかめなくなる10代たち - (page 2)

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実際より親しく感じやすいネットの交流

 「ネット上に恋人がいる」「会ったことがないネットの親友がいる」という話を聞いたことがあるかもしれない。10代の子どもたちには、インターネットのやりとりだけで直接会ったことがない相手でも、「恋人」や「親友」になるケースが多く見られる。私も取材中に「遠いから会ったことはないけど、(ネットの恋人とは)心と心でつながってるから」と真剣な顔で言われたことがある。中には、「“ネット家族”は本当の家族より大事」という子までいた。彼女は、ネットで家族を募集し、ネット家族として互いの役割を演じて楽しんでいたのだ。

 彼らの多くは、「やりとりすれば相手がいい人かどうか分かる」と言い切る。趣味を介して出会った、遠い地に住む仲間とネットを介して交流し、優れた作品を作った高校生の例もあるので、ネットでの交流自体を否定するわけではない。

 しかし、ネットではリアルの場ではなかなか言わないことも自己開示しやすい傾向にある。さらに、「自己開示の返報性」によって、自己開示された側も自己開示し返す傾向にあり、通常より心の距離が縮まったと感じやすいことは知っておきたい。

 また、SNSなどを使うと相手の情報が無限に得られるため、距離感がつかみづらく、相手と親しいと勘違いしやすい点も気をつけたい。A子は、「親友でもない子に親友と言いふらされていたことがある。クラスメイトの1人として、誰にでも送ることを送っていただけなのに。教室でも大して話してないんだから分かると思うんだけど。その子が知るはずもないことを、過去のTwitterの投稿から調べて知っていたのは気持ち悪かった」と言っていた。

リアルコミュニケーションの重視を

 SNSでの文章中心のコミュニケーションは誤読を生みやすい上に、相手の反応がすぐに見えないという問題がある。文字だけ見ていると親しいと誤解したり、距離感がつかみづらくなることもある。

 SNSは便利だが、SNSだけですべてコミュニケーションを取ろうとすると問題が出てくる。やりとりできる情報量から見ても、直接のコミュニケーションに勝るものはない。今は、リアルのコミュニケーションを通して、人との交流におけるマナーや関係の築き方を学ぶべき時だろう。

 若者がすべてをSNSで済まさず、なるべくリアルにコミュニケーションできるよう、保護者も意識してあげてほしい。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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