総務省情報通信政策研究所の「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(平成27年5月)の、年代別の主なコミュニケーション系メディアの平均利用時間、行為者および行為者平均時間(平日1日)を見てみよう。
それによると、10代、20代は他の年代と異なり、ソーシャルメディアが他の手段を大きく超えている。特に10代は圧倒的にソーシャルメディアの利用が多く、ソーシャルメディア行為者率は50.7%、メール行為者率は30.7%、携帯通話行為者率は6.1%となっている。ソーシャルメディア行為者の平均時価は117.4分に上る。若者たちは、主にソーシャルメディアを使ってコミュニケーションしているというわけだ。
10代のコミュニケーションはSNSに大きく傾いている。それゆえ、距離感がつかめなくなっている問題も起きているようだ。SNSの過剰利用による問題を見ていこう。
フリューの女子高生・女子大生を対象とした「恋愛とSNSに関する意識調査」によると、LINEで告白した、もしくは告白された経験について尋ねたところ、78.7%が「ある」と回答。また、告白手段として直接かLINEかと2択で尋ねたところ、なんと34.5%が「LINE」を選んでいた。また、SNSのプロフィール画像に一目惚れした経験は16.2%が「ある」と答えており、そのうち48.1%は相手にメッセージを送って結果的に付き合ったという。
若者たちにとってSNSは恋愛にまで深く入り込んでおり、ネットとリアルの差をほとんど感じていないことが分かる。恋愛において頻繁にSNSを使いこなしている一方、SNSのコミュニケーションがうまくいっていない例も多い。
高校1年女子A子は、LINEでの告白を好むという。「相手の反応を見て、ダメそうだったら冗談にするし、脈ありだったら『付き合って』と言う」。LINEでやりとりすると、ダメだった時もやりとりが残ってしまいトラブルにつながるのではと思い聞いてみたが、「LINEならダメならスルーすればいい。リアルでは緊張してうまく言えないし、LINEなら考えて送れるから。後で読み返せるのもいい」と言っていた。ただし、他の男の子からのLINEでの告白を、キャプチャでグループに回して笑いものにしていた同級生もおり、「送る相手は選ぶ」と言っていた。
2016年3月、大分市の無職少年17歳が、Twitterで元交際相手の女子高生(17)に対して、「追い詰めてやる」「どうなるか覚えておけ」などと脅す書き込みをした脅迫の容疑で逮捕された。少年は1~2カ月前から女子高生に対して、「会いたい」などのメールを数十通送っており、相談を受けた警察が女子高生が嫌がることをしないよう指導していた。しかし、その後もTwitterで脅迫したとして逮捕にいたったというわけだ。
メールやSNSは送るのが簡単だ。そのため安易に送ってしまいがちだが、受け取る側には内容によっては強いストレスを与える可能性がある。その上、送ったものはログが残る。気持ちのままに考えなしに送ることは絶対に避けるべきだろう。
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