暗号化電子メールを手がけるProtonMailがサービスのベータ段階を終了し、無料の「iOS」アプリおよび「Android」アプリの提供をAppleの「App Store」と「Google Play」ストアでそれぞれ開始した。
ProtonMailによると、「Snowden氏後の環境」と同社が表現する世界で2014年にサービスの提供を開始した後、1日あたりのサインアップ件数が1万件を突破し、「圧倒的な需要」が押し寄せたという。
それ以来、ProtonMailは招待制のサービスとしてやってきたが、それでもクローズドベータ版のユーザー数は100万人を超える。ユーザーには、企業やジャーナリスト、活動家、一般の個人が含まれる。
ProtonMailはエンドツーエンドで暗号化される電子メールサービスを提供している。同社によると、このサービスは、政府やProtonMail自身がユーザーのメッセージにアクセスすることを「事実上不可能」にするという。
Snowden氏が政府による大規模なオンライン監視活動を暴露して以来、暗号化通信に対する需要が急激に拡大した。人気サービスの多くは既に何らかの暗号化機能を備えており、送信者と受信者だけがメッセージを読むことができるエンドツーエンドの暗号化の使用も拡大している。
こうした暗号化技術の普及拡大を受けて、警察や諜報機関は犯罪者やテロリストの通信傍受が困難になっていると警告した。国家は既に個人のプライバシーを過度に侵害しており、暗号化はこれ以上の侵害を防ぐ重要な手段だとプライバシー運動家は主張している。
こうした複雑な状況の中、プライバシー保護を断固として支持するProtonMailがベータ段階を脱した。
ProtonMailの共同創設者であるAndy Yen氏は、「強固な暗号化とプライバシーは社会的、経済的に必要なものだ。この技術は活動家や反体制者を守るだけでなく、世界のデジタルインフラストラクチャのセキュリティを確保する手段でもある」と述べた。
「そのため、あらゆることを考慮すると、より大きな大義のために強固な暗号化は絶対に必要だ」(Yen氏)
欧州合同原子核研究機構(CERN)と米マサチューセッツ工科大学(MIT)で出会った科学者たちのグループによって創設されたProtonMailは、スイスを拠点としている。同社のサービスは2014年5月にベータ版として公開された。
同社は創業資金として、クラウドファンディングキャンペーンで55万ドルを調達した。ProtonMailのクライアント側のコードはオープンソースで、コミュニティーがレビューを行っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」