Brave Softwareのブラウザは、不正なアプリではないことをGoogleに納得させるのに苦労したものの、モバイル広告にウンザリしている人たちに向けて現在は提供されている。
Appleは米国時間2月19日、「iPhone」や「iPad」向け「Brave Web Browser」を自社アプリストア「App Store」に追加した。一方、Googleは「Android」向けBraveの自社アプリストア「Google Play」における提供を2回拒否した後、23日夜に開始した。
10日続いたGoogleの拒否は、同ソフトウェア、そして、ウェブブラウザビジネスで新たなスタートを切ろうというBrave最高経営責任者(CEO)Brendan Eich氏の野心を大きく妨げるものであった。Eich氏は、Mozillaの共同創設者で「Firefox」ブラウザプロジェクトを率いていたが、2014年に騒動の末に離れている。Braveは、Androidへの容易なアクセスが得られなければ、世界のモバイルユーザーの大部分から切り離されてしまっていただろう。
この当初の抵抗は、アプリストア規則に抵触した理由を開発者が正確に把握することの難しさをも示している。ウェブの主要基盤であるプログラム言語「JavaScript」を開発したEich氏のような影響力を持つ開発者ですら難しいのに、そうでない開発者にとってはなおさらだ。Braveは「Googleとの推測ゲームに巻き込まれていた」と、Eich氏はバルセロナで開催された技術見本市Mobile World Congressでのインタビューで述べた。
読者の皆さんはオンライン広告を嫌いかもしれない。しかし、皆さんが楽しんでいるYouTubeやFacebookなどの無料コンテンツはそのような広告が支えている。広告と無料コンテンツは現在、持ちつ持たれつの関係にある。しかし、広告ブロック技術の採用が増えていることは、このアプローチにとって脅威となっている。皆さんがオンラインで行っていることの大半の将来は、危機に瀕していると言っても過言ではない。
サンフランシスコを拠点とするBraveは、この状況を変えようとしている。同社はその実現にあたり、ユーザーにとっては押しつけがましくなく、オンライン企業にとっては広告支援ビジネスの継続を可能にする広告技術を適用しようとしている。
Braveはオンライン広告や、ウェブサイトを訪問した人の追跡や特性分析で広告主が使用する関連技術をブロックする。その一方で、同社はこれらの広告を別の広告で時折置き換える。置き換え後の広告は、ユーザーのプライバシーをより尊重するよう設計された手法でターゲットされている。具体的に説明すると、同ブラウザはユーザーのブラウジング行動を見て、興味を持っている分野のキーワードを生成し、Sonobiと呼ばれる企業と共有する。同社は、ユーザーのキーワードと自社が提供する広告代理店からの広告のキーワードとマッチングさせる。広告主自身がこれらキーワードを見ることや誰のものかを知ることはない。プライベートなブラウジング行動に関するデータ自体はブラウザ内に封印されたままとなり、Braveによると、ユーザーに関する他の情報も含めて同社も知り得ないという。
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