Braveの手法は、Googleのアプリチェック担当者を混乱させたようだ。Googleは当初、Braveに対し、同社ブラウザがGoogleの「Google Playデベロッパー販売/配布契約書」の4.4項に違反すると述べた。同項では、「第三者(Androidユーザー、Google、およびあらゆる携帯電話会社を含むが、これらに限定されない)の端末、サーバ、ネットワーク、またはその他の財産またはサービスへの妨害、中断、損害、または許可されていない態様でのアクセスとなる行為」をするソフトウェアを禁止している。
Googleは、最初に提出されたアプリやBraveがその2日後に提出した最初の再申請を拒否したことについて、コメントを拒否した。
しかし、この状況に詳しい人物によると、Googleにおける当初の評価では、Braveが他のアプリの広告をブロックしていることになっており、Google内部で影響力のある人物の取りなしにより同件に関心が向くことになったという。
Googleは、Google Playで広告ブロックブラウザを許可しており、それにはトップ広告ブロック企業Eyeoが開発した「Adblock Browser」や、サムスン製ブラウザで広告をブロックするRocketship Appsの「Adblock Fast」が含まれる。Googleは2月に入りAdblock FastをGoogle Playから取り下げたが、その後、元に戻している。
他のブラウザにある機能がテスト中であったり、未搭載だったりするBraveだが、「Windows」や「Mac」コンピュータ向けにも提供されている。同社は、ブラウザ業界において多くのユーザーを引きつけるという大きな課題に直面しており、同業界は非常に競争が激しく、Google、Apple、Microsoftという技術大手が支配的立場にある。
広告主は、自分たちが狙う特定のオーディエンスにリーチするために多くの金額を支払っており、ユーザーのブラウジング行動や個人に関する詳細を探るためにオンラインパブリッシャーや広告企業に高いインセンティブを与えている。しかし、広告ブロッカーは、これらの広告を非表示にする。さらに、広告ブロッカーは、プライバシーの保護に加え、ウェブサイトの読み込みを高速化し、目障りなポップアップをなくし、広告ネットワークから配信される可能性があるマルウェアからの保護を提供してくれる。さらに、広告ブロッカーは、スマートフォンのバッテリ持続時間を延長するとともに、モバイルネットワークの利用制限に達するタイミングも遅らせてくれる。
インターネットの世界を回しているのはオンライン広告だ。調査会社eMarketerは、デジタル広告支出が2015年には1701億7000万ドルに達したと述べる。PageFairは、広告ブロッカーがブロックしない程度の最小限の押しつけがましさしか持たない広告を表示するようパブリッシャーを支援しているが、1億9800万人が広告ブロッカーを能動的に使用していると述べる。ニュースサイトのWiredは2月に入り、広告ブロッカーを使用している読者に対し、Wiredで広告ブロッカーの使用を止めるか、週あたり1ドルを支払うかしない限り、コンテンツを制限すると発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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