UPDATE Appleは米国時間2月25日、サンバーナディーノ銃乱射事件の容疑者が所有していた「iPhone」のロック解除を求める裁判所命令の無効化を求めて申し立てを提出した。
「米政府の要請に従うには、Appleは新しい『GovtOS』(政府用OS)を作成しなければならない」と申し立てには記されている。Appleは、必要となるエンジニアリングリソースを列挙している。
裁判所はAppleに対し、総当たり式でiPhoneのロック解除に挑むFBIに協力して「iOS」の特別バージョンを作成し、FBIがより簡単に内部にアクセスできるようにすることを求めている。
Appleは申し立ての中で同社の法的異議を挙げ、報道機関や他の技術大手企業の注目を集めるこの大きな問題を、法律の場へと持ち込む準備を整えた。
「これは、1台きりのiPhoneの問題ではない」と申し立てには記されている。「これは、米司法省とFBIが裁判所を通して危険な権力を獲得しようする問題である。その権力とは、米議会と米国民が与えることを拒んできたもので、Appleのような企業に、世界中の何億人もの個人の基本的なセキュリティおよびプライバシー権を侵害することを強制する力である」(Apple申し立て)
2月上旬に裁判所がiPhoneロック解除命令を発行して以来、Appleが法的な対応に出たのは今回が初めてである。Appleの最高経営責任者(CEO)を務めるTim Cook氏はこれまでに、顧客宛てに書簡を記し、ABC Newsの番組「Nightline」に出演して裁判所命令に抵抗する姿勢を見せた。
同番組内でCook氏は、提案されたバックドアについて「ソフトウェアの世界で癌に相当する」とした。
「政府が個人のプライベートな情報にアクセスできるよう、セキュリティシステムを弱めることをAppleのような企業に強制する権力を政府に認めた裁判所判決など前例がない」と、Appleは25日の申し立てに記している。「All Writs Act(全令状法)は、このような司法権の全面行使を支持しておらず、米憲法の修正第1条と修正第5条はこれを禁止している」(Apple)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス