サムスンは米国時間2月22日、ニューヨークのミートパッキング地区に「Samsung 837」をオープンした。試用できる「Galaxy S7」が数多く並び、「Gear VR」のデモンストレーションが行われ、タブレットから「モノのインターネット」(Internet of Things:IoT)デバイス、テレビや家電まで、さまざまな製品を紹介している。
3階建ての「文化の集約地、デジタルの遊び場、マーケティングの卓越した研究拠点(センター・オブ・エクセレンス)」は、一見するとAppleの小売店と張り合うように思えるかもしれない。だが、Samsung 837では何も買えない。サムスンの新拠点は、小売りを行うのではなく、消費者に製品を手に取ってもらったり、ブランドを強化したり、企業幹部に簡単な説明をしたりする場所だ。
サムスンは、この施設が「B2Bコミュニティー向けにキュレートされカスタマイズされた体験を用意する」と述べた。
筆者の率直な感想として、Samsung 837はまあまあ楽しかった。Gear VRのデモンストレーションは素晴らしかったし、Galaxy S7と「Galaxy S7 edge」の触り心地も良く、同デバイスの旧バージョンより洗練されていた。
サムスンは、賃料として事務所スペース1平方フィート(約0.09平方メートル)あたり125ドル、「小売り」エリア1平方フィートあたり450ドルを支払っていると報じられている。CompStakによると、これらの賃料は一等地の不動産の中でもニューヨークの平均を上回っているという。サムスンの取り組みの費用対効果を評価する上で問題なのは、小売りが行われていないことだ。
サムスンは、コミュニティーと連携して、アーティスト、ソートリーダーシップ、カルチャーに光を当てていくと述べた。ただしどこかの時点で、サムスンがSamsung 837での取り組みを実際の売り上げにつなげようと試みるのでは、と考えるのも無理はない。結局のところ、Samsung 837を出て1ブロック歩き、Apple Storeで何かを買うこともできるのだ。
つまり、Samsung 837はサムスンがマーケティング効果を見極める場所ということだ。筆者自身は、Samsung 837への訪問を楽しんだ。出費にならないだけでも嬉しい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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