Facebookのチームが、人工知能を用いて何十億もの画像を分析して極めて正確な人口地図を作成し、それを利用して、インターネットに現在つながっていない人々にインターネット接続をもたらす方法について、詳しく説明した。
世界人口の10%は、インターネットに全く接続できない地域に住んでいるが、それらの人々へのインターネットアクセス提供に利用可能なテクノロジを把握するには、人々の居住場所についての正確な情報が必要だ。
コミュニティー同士がどのようにつながっているのかを理解することは、1つの重要な要素である。川沿いや道路沿いの村は地上のポイントツーポイントリンクで接続可能だが、散在するコミュニティーへのサービス提供には、ドローンや衛星を使った方がいいかもしれない。
この問題の解決に貢献するため、FacebookのConnectivity Labは、コンピュータビジョンの手法を用いて高解像度衛星画像を分析し、20カ国の人口地図を作成した。
Connectivity Labはまず従来の画像処理方法を使って人工建造物がありそうな地域を選択し、広大な砂漠や森、水域を含む画像は排除した。次に、Facebookの画像認識エンジン(すべての画像について、固定次元の特徴を埋め込む深層畳み込みニューラルネットワークをベースとする)を使用し、衛星画像に建物が写っているかどうかを検知できるようにこのエンジンを学習させた。
その後、Connectivity Labは「弱教師付き」のニューラルネットワークを使って、建物の輪郭を識別した。同研究チームによると、多くの場合、十分な精度を得るためには、大量の画像を使ってニューラルネットワークに学習させる必要があるが、このアプローチを採用することで、彼らは1つの国の学習に使用する画像を約8000のバイナリ衛星画像まで減らすことに成功した。
Connectivity Labは20カ国(2160万平方kmと350テラバイトの画像)を分析した。今回の作業で、同研究チームの畳み込みニューラルネットは146億の画像を処理した。多くの場合、その作業は何千台ものサーバ上で同時に実行された。
「このデータには、社会経済研究や自然災害のリスク評価など、影響力の大きい用途がほかにもたくさんあるとわれわれは考えている」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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