“シェア”に潜む女性の不安を解決--インドネシアで急増する女性専用バイクタクシー

 3人に1人がバイクを保有するバイク社会、インドネシア(日本自動車工業会より)には「Ojek」と呼ばれる伝統的なバイクタクシーシステムが存在する。中流階級の重要な交通手段の1つであるが、そのOjek界にいま変化が起きている。「女性専用」バイクタクシーシステムの登場だ。

 世界を席巻するシェアリングサービスはOjekにもおよび、「GrabBike」や「Gojek」といったバイクシェアサービスも今や都市部では欠かせないサービスとなっている。しかし一方で、問題もある。それは、女性にとって使いにくいということだ。

 シェアサービスのドライバーは男性が大半を占めており、女性にとっては知らない男性ドライバーの後ろに乗るというのはあまり心地よいものではない。宗教上、家族以外の男性に触れることはよくないとされているムスリム女性にとってはなおさらだ。同国では2015年6月に公共バスでの強姦事件も発生しており、交通機関における女性の安全問題への対処の必要が叫ばれていた。

 今回ご紹介する女性専用バイクタクシーはこの問題を解決しようとするもの。ドライバーも利用者も女性に限ることで、料金は一般のバイクシェアサービスよりも高めではあるものの、女性利用者に安全と安心を提供している。

ローンチから4カ月で5万人が利用する「LadyJek」

 現在、インドネシアでは主に「LadyJek」と「Ojesy」という2つのサービスが利用者を獲得している。

 ピンクのヘルメットと制服がトレードマークのLadyJek。利用者は専用のアプリから目的地などを入力して予約する。6キロまでは2万5000ルピア(約225円:1ルピア=0.009円で計算)、残りは1kmごとに4000ルピア(約36円)が加算される。

LadyJekのアプリ画面(<a href="http://www.ladyjek.com/" target="_blank" >LadyJekウェブサイト</a>より)
LadyJekのアプリ画面(LadyJekウェブサイトより)

 2015年10月にジャカルタでサービスを開始し、4カ月でダウンロード数は5万、2400のドライバーを雇用している。開発者のBrian Mulyadiさん(当時22歳)は、米ボストン大学を卒業したのちインドネシアに帰国。バイクタクシーの女性ドライバーと女性利用客がともに、既存のシェアサービスに不安を感じていることを知りサービスを立ち上げた。

 女性らしいピンクをコーポレートカラーとするブランディングや、iOS・Android両方に対応したアプリのUIの質の高さなどから大きな支持を集めている。

LadyJekのドライバーたち。ピンクのヘルメットがトレードマーク(<a href="http://www.ladyjek.com/" target="_blank" >LadyJekウェブサイト</a>より)
LadyJekのドライバーたち。ピンクのヘルメットがトレードマーク(LadyJekウェブサイトより)

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